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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/07 15:04:09

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咲華と志麻が別れた。

それを聖から聞いたものの…

俺は知花には話さなかった。

咲華の口から聞いた方がいいと思ったからだ。


婚約解消について、向こうの家族と話をしなくては…とも思ったが…

婚約していたと言っても…向こうの家族とはほぼ会った事がない。

何なら、うちが勝手に盛り上がっていただけのようにも思える。

特殊な仕事をしているとは言え…息子の結婚だと言うのに、全く乗り気でなさそうな東家には、正直悶々としていた。

しかし、そういうスタンスであってくれるなら、俺は咲華を遠くへやる必要もないと思い納得していたが…

いつ志麻が咲華を迎えに来るのか。

それを楽しみにしていた俺もいる。

なのに、別れた事を咲華も志麻も言って来ない。


…これを俺から咲華に言うと、傷をえぐりかねない気がする。

本人から告白する気になるまで、このまま…知らん顔をしておこう。


そう決めた数日後…

「…ちょっといいかな。」

晩飯の後。

久しぶりに聖が早く帰って、全員が揃っている所に…咲華が言った

「あたし…彼と別れた。」

やっと言ったか…と咲華を見つめたまま黙っていると。

「それと…会社も辞めた。」

「は?」

つい、聖を見た。

すると聖は少しだけ首を傾げて眉間にしわを寄せた。

…知らなかったのか。


それから咲華は、最近聞いた事がないほど…たくさん喋った。

自分が自分をどう思っていたか。

志麻のどんな所に惹かれたか。

もしかすると、またよりを戻して同じ事を繰り返してしまうかもしれないと思い…苦しみながらも別れた事。

…それらを聞いていると…知花と別れた頃を思い出した。

バンドか俺か。

知花には…両方を選ぶ道はなかった。

離れてしまうとダメになる。

若かった俺には…知花のそんな決断を『間違いだ』と否定してやる事も出来なかった。

ただ、知花の決めた事を…すんなり受け入れるしかなかった。

…志麻は…なぜ咲華を迎えに来なかったんだ。

咲華を愛していたなら…

なぜ、咲華がこんなになるまで、待たせたんだ。


「それで…あたし、少し旅に出たいんだけど。」

一通り話し終えた咲華が、本当はこれを一番に言いたかったと言わんばかりの声で言った。

「どこへ。」

「…さあ…どこか外国。」

「ダメだ。」

「千里…頭ごなしに言わないで。」

「だいたい、男と別れて会社を辞めて外国へ旅行だと?そんなの、隙だらけの自分を誰かに見付けて欲しいって言ってるようなもんじゃねーか。」

確かに…こんな言い方じゃ何も伝わらない。

実際、華音も華月も聖も、半ば呆れ顔で俺を見てる。

咲華に関しては、もう…嫌悪感丸出しだ。


冷静に話し合いたいとは思う。

だが…別れた事も一ヶ月黙っておいて、打ち明けたと同時に海外へ行きたいだと?

どうしてそうなる。

まるで…

まるで、数日離れてた間に離婚を決めて指輪を突き返して来た…

知花と同じじゃねーか。


「いいんじゃない?あたしは大賛成。」

ふいに廊下から聴き慣れた声。

そこには、義母さんと高原さんがいた。

「おばあちゃま!!おじいちゃまも!?」

華月が立ち上がって、二人に駆け寄る。

「会いたかった!!」

「ほんと?知花には帰るって言ってたんだけど、もしかしてサプライズだった?」

その言葉を聞いた知花は。

「…忘れてた…」

バツの悪そうな顔で小さくつぶやいた。

「…せっかく帰ってもらったのに、こんな所を見せてすいません。」

「爆弾発言だったな。」

俺の隣に腰を下ろした高原さんに。

「…どう思いますか?」

問いかける。

「千里の気持ちも分かるし、咲華の気持ちも分かる。俺はあえて中立でいる。」

…分かってはいたが…少しガッカリした。

こんな時、俺の味方なんていねーんだよな…

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