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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/07 11:28:23

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「紅美ちゃんと付き合ってるって言った時、お姉ちゃんはなんて?」

華月がノン君に問いかけると。

「…おめでとうってさ。」

ノン君は少しバツが悪そうに答えた。

「あ~…お姉ちゃんの気持ちを思うと、痛い。お兄ちゃん痛すぎる。」

華月の言いぐさに笑ってしまった。

ノン君は片想いが成就しただけなのに…酷い言われようだ。


「うっせーな。もとはと言えば、あいつが別れたってすぐ言わねーからだ。」

「双子なのに気付かなかったの?お姉ちゃんの様子がおかしいとかさあ。」

「それどころじゃなく浮かれてたからな。」

「もうっ。」

「おまえだって今日まで何も気付かなかったじゃねーかよ。」

「あたしはお姉ちゃんと双子じゃないもんっ。」

「まあまあまあまあ…」

ノン君と華月の言い合いなんて珍しくて、つい眺めてたけど…

さすがに二人とも目が細くなって来たから…間に入った。

「咲華がノン君の幸せを喜ばないわけないよ。時期は悪かったけど、おめでとうは本心だろ。」

俺がそう言うと。

「……………ぷはっ。時期は悪かったけど、は余計だな。」

ノン君は麦茶を一気飲みした後、低い声でそう言った。


「…ところで、俺、飯食ってないんだけど。」

二人にそう言うと、ノン君が無言で麦茶を入れて、華月がシュークリームを差し出した。

「……」

とりあえず差し出された物を食って。

足りるわけねーし。と思って大部屋に降りようとすると…

♪♪♪

メールが来た。

『聖、今日もお疲れ様。近い内にうちに来ない?たまには三人でご飯でも食べよう?』

母さんからだった。


複雑な関係図の桐生院家。

俺も本当なら…親と一緒にマンションに住めばいいのかもだけど…

ここで生まれ育ったし。

高原のおっちゃんを『父さん』と呼び始めて、より…桐生院の父さんの事を身近に感じるようになった。

だから…ここに居たかった。

…ま、あの二人には離れて居た間の分も、遅い新婚気分を十分味わってもらえばいいや。


「誰から?」

華月が目を細めて問いかける。

泉と別れた事、深くは聞いて来ないけど…納得もしてねーだろうからな。


「母さん。たまには三人で飯食おうって。」

母さんは…毎晩メールをくれる。

俺はそれに返事をしたりしなかったり…

…色々複雑なんだよ、俺も。


「ばーちゃん達、いつこっちに帰ってくんのかな。」

ノン君が麦茶ポットを持って立ち上がった。

「…どーかな。帰る気なんて、あんのかな。」

階段を下りながらつぶやくと。

「なんだ。反抗期か?」

ノン君が俺の頭をパコンと叩いて笑った。


…複雑なんだってば。

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