狂っているのは私か?時代か?

わたしは誰ですか。episode3から始まる回顧録。

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episode3-4 サイコパス 遭遇

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テーマ:小説 > 男女関係

2017/10/05 10:50:44

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いつもの街のいつもの汚れた朝。
そこに馴染みきった胸に歯型のついた私。

つい数ヶ月前まで長年付き合っていた男と結婚を考えていた私と、今の私はまるで別人だ。

大きな喪失感から逃げるために
別人になりたかった。
別人に近づけば近づくほどに
自分とはなんだろう?なんだった?

そんなことをふと考える。


「ねえ、おねーさんてば」

さっきからしつこく話しかけてくる男が斜め後ろからついてくる。

疲れてる時に限ってしつこいキャッチやらスカウトやらホストに遭遇するものだ。


『疲れてるから!』

胸元の痣が視界に入りつい声に怒りと力がはいる。

「こえ〜〜」
ふらふらしながら去っていく男。


昨日の酒とつまらないSEXとラブホテルと
下らないものばかり詰め込まれた夜のせいで
寝不足で、心身ともに疲れていた。

そんなときでもお腹はすく。

なんでもいい。
手軽にはいれて朝でも夜でもやっているカウンターの居酒屋と定食屋の真ん中のような店にはいる。

軽い二日酔いにあたたかい蕎麦を流し込むとすこし何かが流れだして、心地のいい眠気と、虚しさが襲ってくる。

『はあ…』




気配。視線。
横の席をみると一つ席をあけて座っていた男がこちらを見ていた。

視線が合う。
不思議な顔をした男だった。

笑っているようで笑っていない。
困っているようにも自信ありげにもみえる。

何この人。
視線を蕎麦にもどそうとした…

「その蕎麦おいしい?」

『え?』

『蕎麦と定食で迷ってて決められなくて』

はにかみながら笑う男。
わたしが来てすぐくらい、結構前から座っていたはずなのにずっとメニューを見て考えていたのか?

すこしおかしくなる。

『蕎麦も定食もおいしいですよ』

「ありがとう」

それで会話は終わり、男は結局そばを頼みすごいスピードで食べて何も言わずにでていった。

わたしは食事が終わっても、なぜかそこからうごけずにいた。


昨日のメールなんだったんだろう…
酔った勢いもあって消したメール

でも、何が書き連ねてあろうと事実はかわらない。
見なくてよかったんだ。


重たい腰をあげ財布をバックから取り出す。

『お会計を…』

「さっきの隣のお連れ様が払っていかれましたよ」


連れ?ああ、さっきの男か。。

こんな汚れた朝に起きたすこしの幸せな出来事。
ただ蕎麦か定食か聞かれて一言交わしただけ。
そして会計を払ってもらっただけ。

でも、なんだか不思議な暖かい気分になった。



それが、あの男との出会い。

出会いだけは偶然だった?

それとも?


この出会いすらすべてが計算だったのではないかと思うほどの闇が、加速度的に迫っていた。

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