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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 22:45:07

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「はー…疲れた…」

7月に入って、一気に暑くなった感じ。

あたしは胸元をパタパタとさせながら、大部屋に向かって歩いた。


今日は打ち合わせの後に、事務所のジムでトレーニングをして。

エレベーターの前で会った朝霧さんに『華月ちゃんは歌わへんのん?』って言われて。

そう言えば、事務所に入った頃、色んな人からそんな事言われたなあ…って、一人で思った。

両親も、祖父母もシンガーなんて。

それはそれはそれはー…あたしにはとてつもない素晴らしい血が流れてるよね。

俗に言う『サラブレッド』ってやつ。

それも、超超超サラブレッドのはず。


だけど残念ながら、自分が歌うって事には全く興味も何もないあたし。

今は地道に色んな撮影をこなしながら、自分磨きをしてる最中。

…いつまで磨いてんだ。って、父さんには言われるけど。


あたしは…

自分磨きには終わりはないって思ってる。

だって、あたしの母さんも、おばあちゃまも…

いつまで経っても綺麗だし可愛いし。

それは、見た目って事じゃなくて。(あ、二人の見た目を否定するわけじゃないけど)

内面から出てる何かって言うのかな…

…まあね…

二人とも、驚くほど深い趣味持ってるし…。

あたしも、そこまでの何かが欲しいなあ。


桐生院家唯一のOLであるお姉ちゃんは、自分で『普通』って言うけど。

あたしから見ると、お姉ちゃんはすごく出来た人だなって思う。

学生時代は成績も良かったし、人当たりもいいから誰からも好かれてたし。

…意外なのは、友達がいない事。

ま、あたしも友達はめったに会わない泉だけ…だけどね。


お兄ちゃんいわく。

「咲華は家が好きだから、ダチなんていらねーんだよ。」

…どういう意味?って思ってると…

「友達作ると、やれ家に遊びに行っていいかとか、遊びに来いとか…どこそこに出かけようだとか。あいつ、そういうのが苦手なんだよ。」

…なるほど。

それはー…何となく分かる気がする。

お姉ちゃんもあたしも、休みの日は家でのんびりしたいタイプ。

自分の好きなように時間を使いたい。


そういうお兄ちゃんも、友達は曽根さんだけなのに…昔から割とアクティブ。

習い事も色々してたし…友達じゃない知り合いの人達と、テーマパーク行ったり旅行したり…

でも…うちで一番社交的なのは、聖だなあ。

聖って、あたしとは双子みたいに育ったから…いて当たり前だし、あたしと似てる所があるって勝手に思ってたけど。

昔ほど一緒にいる時間がなくなってくると…今まで見えなかったものが見えてきたと言うか…

聖は、何て言うか…

大勢の中に居ても、孤独を感じさせる。

…誰かに似てる気がする。


「ただいま。あれ?お姉ちゃん、一人?」

大部屋に入ると、そこにはお姉ちゃんだけ。

「うん。父さんと母さんはお風呂。」

なるほど。

家族のボード、父さんと母さんのマグネットが『お風呂』にある。


「お兄ちゃんと聖は?」

「まだ。」

「ご飯食べた?」

「まだ。」

え?

「……」

あたしが無言でお姉ちゃんを見てると。

「何?」

お姉ちゃんは、眺めてたボードから視線をあたしに移した。

「こんな時間に、お姉ちゃんが何も食べてないって。」

「あっ、何それ。あたしにだって、食べるのをためらう時ぐらいあるわよ。」

「えー?調子悪かったの?」

あたしも食べるのは好きだけど…お姉ちゃんの食欲は、桐生院家第一位だ。

そんなお姉ちゃんが食べるのをためらうって…やっぱ…あれかな…

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