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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 22:22:12

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「はっ?咲華が?親父に?」

仕事から帰ったばかり。

まだ着替えてもないのに。

俺は、ノン君と華月に連れられて…華月の部屋で飲んでいる。

ちなみに…

中の間の横にある階段を上がると、無駄に広い二階があって。

桐生院の父さんとばーちゃんが死んでからは、母さんの部屋しかなかった。

そこへ、ノン君が部屋の移動を申し出たが…

ノン君がバタバタしてる間に、まずは俺が引っ越した。

こう見えても、息子だからな。

続いて華月が『足のリハビリ兼ねて』とかって、二階にやって来た。

母さんの部屋は、そのままにしてるけど…

もう、高原の父さんのマンションにいていい気もする。


「そ。もー…抜け殻状態の父さん、かわいそうだった。」

華月が眉間にしわを寄せて、変な唇をして言った。

…おい、モデル。

顔が歪むぞ?


「でもまあ咲華に対して厳し過ぎるよな、親父。」

俺がそう言うと。

「同感。」

二人も同時にそう言った。

「同感だけど、『父さん嫌い』はないよね。鬱陶しくても口に出しちゃいけないよ。」

鬱陶しくても口に出しちゃいけない。に、ノン君と顔を見合わせて苦笑いした。


華月は…歩けなくなった時に、家族に心配をかけたからか…

甘え上手だ。

甘える事が一番の親孝行だって分かってるんだろうな。

実際、華月に甘えられてる親父と姉ちゃんは、本当に幸せそうだ。

…咲華も華月ぐらい…までとはいかなくても、少しは甘えればいいのに。

あいつはいつも、『あたしなんか』って自分を見下げてる。

もったいねーよな…


「けど、実際咲華ほど厳しくされたら…俺も言っちまうかも。親父なんか嫌いだーってさ。」

俺がそう言うと、華月は『えっ』て小声で言った後、少し考えて…

「…確かに…お姉ちゃん、ちゃんと言いつけ守ってるんだから、たまに遅くなるぐらいいいのに…いちいちどこで何してたって聞かれるのも…やましくなくても、信用されてないのかなってムッとしちゃいそう。」

肩を下げて言った。

おまえ、結局どっちの味方だ?


「で、咲華はどこで何してたって?」

ノン君が持って来た干し貝柱をポイッと口に入れる。

うん…美味い。

今夜は取引先のお偉いさん方と、高級料亭で会食だったが…

今この瞬間の缶ビールと干し貝柱、サイコーに美味い。


「それは言わなかったけど、仕事で嫌な事があったって母さんに話してた。」

「……」

「……」

ノン君の言葉に、俺と華月は無言になった。

俺達は…嫌な事があっても、仕事の帰りに誰かと飲んで帰ったり…何なら店のはしごもしたり…普通にそういう事が出来る。

けど。

咲華の門限10時は…

定時に終わって飲みに行っても、余裕で帰って来れる時間ではある上に…

咲華に友達なんかいねーってみんな知ってるもんだから…

ついでに、家が好きな咲華が、外で一人で飲むとしても…ちゃんと門限までに帰って来るって知ってるもんだから…

…こうしてみると、咲華には自由がない。


「…咲華も呼んで飲む?」

俺が二人に言うと。

「たぶん今…志麻と電話してると思う。」

ノン君が首をすくめた。

「あ、そ…」

婚約して二年以上、フィアンセをほったらかす男。

俺としては…もう、あまり期待してない。

つーか…

いっその事、ふってやってくれって思う。

咲華からは無理だろうから…あいつから。

最初は辛いだろうけど、咲華には…さっさと新しい恋を見付けて幸せになって欲しい。

…ほんと。

俺みたいにならないように…

みんなに、幸せになってもらいたい。

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