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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 19:59:34

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「……」

「……」

「……」

「……」

大部屋は…息が詰まりそうなぐらい…空気が張り詰めてる。

最初はお姉ちゃんの事を口に出さなかった父さんも…

10時を過ぎた頃。

「咲華は。」

低い声で一言。

「ざ…残業って言ってなかったかなあ?」

あたしがそう言うと。

「あ…そ…そうだったかしらね。」

母さんが、少ししどろもどろで言った。

だけど…そんなあたし達の咄嗟の嘘なんて。

父さんには、すぐバレちゃう。

「帰ってないのか。」

「親父。あいつにも付き合いはあるんだぜ?たまには門限過ぎたって構わねーだろ?」

お兄ちゃんがそう言って庇ったけど…

「連絡もせずに門限を破るのは、ルール違反だ。」

あーーーー…

父さん…

もう、超ご機嫌斜め…


「……」

父さんは無言でスマホを手にして、お姉ちゃんに電話をかけてるようだった。

だけど、それは電源が落とされててかからない事を知ってるあたし達は…

ただヒヤヒヤして眺めるだけ。


うちでは…父さんの言う事は絶対。

お兄ちゃんが言ったように、お姉ちゃんにだって色んな都合があるんだから…たまには門限なんて破ったっていいじゃないって思うけど…

お姉ちゃんへの門限は、絶対。

それってきっと、お姉ちゃんだけが…桐生院家で唯一のOLだから。

父さんは心配でたまらないんだと思う。

だけど、それは口に出して言わなきゃ伝わらないよ~…って思うんだけど…


時計の針が10時半を過ぎた頃…

「…親父、どこ行くんだよ。」

立ち上がった父さんを見て、お兄ちゃんが言った。

「…探して来る。」

「は?志麻に任せとけよ。あいつなら咲華の事分かってるし、プロだぜ?俺らがやみくもに探すより…」

「とにかく行って来る。」

「えっ、親父……ったく~…」

お兄ちゃんはあたしと母さんを振り返って、『連絡する』って小声で言って父さんの後を追った。


「……は…」

ふいに母さんが立ち上がってキッチンに立った。

あたしはすぐに母さんについて行って。

「母さん…大丈夫?」

母さんの背中に触れた。

「ええ…ちょっと…ノドが渇いたから…」

母さん…顔色悪い…

「あたしがするから、座ってて?」

「ええ…ありがとう…」

…お姉ちゃん…いったいどうしちゃったんだろ…


カモミールティーを入れて、母さんと並んで座って飲んだ。

こんな時は時間が経つのも遅い。


「あっ…おばあちゃまの所とか…?」

「さっきメールしてみたの。心配かけたくないから、今何してる?って書いたら、二人で映画観てるって。」

「そっか…おばあちゃまの所にも行ってないんだ…」

こうしてみると…あたし達、お姉ちゃんの行きそうな所って思いつかない。

…何だか悲しくなって来た…

########

11時を過ぎた頃、母さんのスマホが鳴った。

あたしは、それを飛びつくように取った母さんを見る。

「もしもし…ああ…あ、いた?」

母さんはあたしの顔を見て。

「良かった…ええ…分かったわ。気を付けてね。」

そう言って電話を切って。

「志麻さんが見付けてくれたみたい。」

その言葉に、あたしは胸をなでおろした…けど…

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コメント1

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  1. カオリさん(47歳)ID:6610883・10/06

    あそこ…読んでくる。

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