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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 17:34:32

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「…知花…」

「……」

千里の額の汗を拭ってたあたしは……

その寝言に、少し感激してしまった。

千里が眠って、二時間。

せっかく来てくれてる父さんと母さんに悪いし…と思って。

一度大部屋に戻って、千里の分も…って、みんなで乾杯した。

父さんの作ったチェリーパイが美味しくて。

千里の分…って少し残そうと思ったのに。

「あ、ごめん…食べちゃった…」

あたしが母さんと話してる間に、咲華が食べてしまった。


「将来の事を考えて、少し食べるのを控える。なんて言ってたのにね。」

あたしがそう言うと、咲華は目を細めて。

「あんまり美味しかったから、つい…」

苦笑いをした。

…志麻さんと何かあったのかな…

咲華は、自分では気付いてないのかもしれないけど…少し前から溜息が増えた。

確かに、あまり会う事が出来なかったり…現場に出てしまうと連絡も取れないみたいだから…寂しいよね…

婚約して二年以上。

…もしあたしなら…って考えると、咲華はよく待ってるなあ…って思ってしまう。

あたしなんて…

こんなにそばにいるのに、ずっと不安なんて。

贅沢過ぎるよね…。


「……」

千里の寝顔を見つめながら、腕に触れる。

こんなに熱を出すなんて…

さっき母さんに『ストレス性の物かしら…』って言われた。

…少しショックだった。

そりゃあ、誰にだってストレスはあるよ。

…うん。

千里にだって…ストレスはあるはず。

ただ…

それを打ち明けてくれないのが、悲しい。


父さんから聞いた。

千里に…今度こそ事務所を継いで欲しいって打診した事。

千里が渋ってるから、後押ししてくれとも言われた。

あたしは…千里が打ち明けてくれたら、千里の気持ちを聞いた上で…って思ってたけど…

千里は一向に…打ち明けてくれない。

あたしには…相談出来ないのかな…

頼りにならないのかな…

そう考えてると、ずんずん暗い気持ちになっちゃって。

あたしは…千里の妻として、全然ダメなんじゃないか…って落ち込んだりして。

ただでさえ、先月…あんな事があって落ち込んでたのに。

…そう思うと…

あたしも千里には全然相談なんて出来てない。

あの事…話せないまま。


好きだからこそ話せない事もある。

そう自分で言い聞かせて…それでますますあたしは自分の殻に閉じこもる。

千里の事好きなのに…こんなに好きなのに…


コンコンコン


あたしがどんよりした気分になってると、ドアがノックされた。

「はい?」

『俺。』

ドアの外から華音の声。

あたしは立ち上がってドアを開ける。

「親父どう。」

「寝てるわ。」

「そっか。親父がこんなの初めて見るから、なんかビックリっつーか…」

「……」

優しい華音。

「大丈夫よ。明日には良くなってるから。」

「ほんとかよ。9度超えしてんだろ?」

「うん…でもたぶん疲れから来てるんだと思うから。」

「なら『滅菌くん』要らなかったな。ばーちゃんにぶちまけられたよ。」

華音はそう言って、自分のシャツを引っ張って嗅ぐ仕草をした。

「ふふっ。」

落ち込んでた気分が、少し浮上した。

「ありがと。可愛い息子。」

あたしが背伸びして華音の頭を撫でようとすると。

「落ち着いたら飲み直しに来いよ。みんな、まだまだ寝ないって言ってるから。」

華音はあたしが撫でやすいように、少し頭を下げてそう言ってくれた。

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コメント1

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  1. スズさん(39歳)ID:6610844・10/06

    ノンくーーん╰(*´︶`*)╯♡
    うちの息子達は、こうはならないな⤵︎⤵︎

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