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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 16:18:47

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「いつから調子悪かったの?」

ベッドに横になって、ボンヤリと知花の声を聞く。

ああ…こいつほんと…いい声してる。

癒されるなー。

「千里。」

癒されると思ったのも束の間…

知花は厳しい声と、戦闘モードのような顔付き。


「あー…なんかフラつくなーとは思ってたけど、大した事ねーやって思ったからな…」

「いつから?」

「んー…事務所の帰りぐらいかな。」


今日は…俺の誕生日で、俺と知花との結婚式記念日。

毎年、賑やかだったり…そうでもなかったり。

でも今年は高原さんが張り切ってるって聞いてて…俺としては恐縮だが、それはそれで微笑ましいなー…なんて思ってたんだが…


ピピッ。

「39度…」

「…そんなにあんのかよ…」

知花は俺の熱を計って、すかさず加湿器のスイッチを入れた。

そして…

「どこか痛い所ある?」

「…そう言われると…節々が…」

「ここ、冷やすと少しは楽?」

「あー…そうかも…」

「ノドも少し腫れてるね…ちょっと待ってて。」

くそー…熱があると分かっただけで、一気に病人になった気分だ。

せっかくの誕生日なのに…

結婚式記念日なのに…



「…ごめんね…」

一旦部屋を出て行った知花が、戻って来たと思ったら…俺の額に触れながら謝った。

「…なんでおまえが謝る…」

知花の顔を見ると…今にも泣きそうな…

「…風邪ぐらい誰でもひくだろ…」

手を伸ばして、知花の前髪に触れる。

「…ずっと気を付けてたのに…」

「……」

俺は…

ここに婿養子に来て、風邪をひいた事がない。

くしゃみをしようものなら、寒気がすると言おうものなら、インフルエンザが大流行しようものなら。

とにかく知花が。

万全の態勢で、家族全員に適切な処置と対応をとっていたからだ。


「…高………義父さんにうつらなきゃいいが…」

照れ臭いが…そう言ってみると、知花は少し間をあけて…優しい目をした。

…ああ、俺の知花だ。


「大丈夫。母さんが『滅菌くん』を使ってたから。」

「はは…っ…ったく…おまえら母娘ときたら…」


いつだったか…華音が季節外れの大風邪をひいた時。

家に残ってた義母さんが。

『うちには歌う人がいるんだから、ウイルスはすぐ消滅させなきゃね』

と…

知花と二人して、『滅菌くん』なるモノを作った。

名前は可愛いが、消毒液と何かを混ぜた物を噴霧器…よりもパワーのあるマシンで家中にまき散らすんだ。

今もウイルス性の物が流行していると、帰った途端に身体中にぶっ放される。

…まあ、そのおかげで、誰も酷い風邪をひいた事もないんだろうが。


「…おまえにうつるとヤバいな。」

「大丈夫。持ってきたから。」

知花の手には…マスク。

知花はそれを装着すると。

「ちょっとツボを押すね。」

そう言って…俺の腕を取った。

…本当…

知花と義母さんは、年々…不思議な引き出しを増やし続けてる。

うちでは当たり前みたいな事が、実は全然普通じゃなかったりする事に…最近気付いた。


「大丈夫。すぐ治るから…」

…アンプの修理をしてるつもりじゃないだろうな?

39度もあるんだぜ?

そんなすぐに治るかよ。


そう思いながらツボを押されてると…

熱のせいか、すごく…強い睡魔に襲われた俺は。

「大丈夫。」

知花が繰り返し言うそれを聞きながら…

いつしか深い眠りに落ちた。

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コメント2

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  1. マリアンさん(50歳)ID:6610804・10/06

    知花ちゃん、ダイエットに効くツボ押してええええ!!

  2. ヒカリさん(99歳)ID:6610801・10/06

    私も知花ちゃんに看病されたい。
    寝込んでないけど。←じゃあダメじゃん
    寝込みたい( ´Д` )

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