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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 09:33:15

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「あれっ?今日オフだったんじゃ?」

俺がそう言うと、知花ちゃんは首をすくめて。

「家に帰っても一人だし…来ちゃいました。」

可愛い仕草で言った。

…家に帰っても…って事は、出かけてたんだな。


「神と飯でも食って来た?」

俺がスピーカーをバラしながら問いかけると、知花ちゃんは口元に手を当てて。

「えっ…」

何とも…分かり易い。

「あははは。何もついてないよ。いつもより少しオシャレだから、そうかなって思っただけ。」

「す…鋭いですね…里中さん…」

…うん。

いつもは作業しやすいように、パンツスタイルだけど…

今日はスカート。

どう見ても、お出かけしたって感じだ。


今日はガラス張りのこの部屋の中、俺一人の作業。

と言うのも、八階のスタジオにあるアンプやスピーカーの点検で、スタッフ全員が出払っているからだ。

ま、俺は一人で地味に作業するのが好きだから…こういうのがたまにあると嬉しい。


「幸せがにじみ出てるよ。羨ましいな。」

電ドラを持ち直して言うと、知花ちゃんはエプロンをしながら。

「…また『幸せボケしてんのか、こるぁあああ』って叱られないようにしなくちゃ…」

小さくそう言って笑った。

「…ごめん。もう…俺、スイッチ入るとわけわかんなくなるから。」

俺は…どういうわけか、SHE'S-HE'Sのプロデューサーに抜擢されて。

一昨年のBEAT-LAND Live aliveでは貴重な経験をさせてもらった上に…

その後で発売されたSHE'S-HE'Sのアルバムも、手掛けさせてもらった。

ずっとダメ出しをしてしまったが…それに根を上げず頑張ってくれたメンバー達。

その結果生まれたアルバムは、SHE'S-HE'Sの中でも最高傑作と言われた。

…今も一人であれを聴くと…鳥肌が止まらない。

俺が作った物…っていう気持ちでじゃなく。

SHE'S-HE'Sの凄さに、だ。


「いいえ、これからも厳しくお願いします。」

へこたれない彼女にもまた…俺はパワーをもらっている。

ま…

神の嫁だから、変な気は起こさないけど。

ただ、この『オタク部屋』と呼ばれてる作業室の中だけでは…

勝手に、一番近い存在だ…って、心の中で決めつけてるんだけどな。

神は何でも出来る奴だけど、電子基盤にまでは興味はないし。


いやー…本当、残念。

神の嫁じゃなければ、マジで結婚を申し込みたい女性ナンバーワンだ。

気が利くし、優しいし、いつぞやこの部署みんなに差し入れしてくれた手料理も絶品だったし。

歌も上手い、楽器も弾ける、それに何より…

俺以上のオタクだ。

彼女の泉の如く湧き出る興味と幅広い知識。

なかなか、こんな女性とはお目にかかれない。


アメリカに居た時、結婚を意識した事が一度だけあったが…

スタッフが声をかけてくれないと、食うのも帰るのも忘れて仕事をしてしまう俺。

そんなダメ男に、恋愛なんて上手く行くはずがない。

その点…

ここでは、タイムカードと言う物が存在しているがゆえに…俺はまともな生活を送る事が出来て。

母の通院にも、付き添う事が出来ている。

俺なんかに目を掛けてくれた高原さんには、感謝しかない。

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