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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/06 08:02:28

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急に千里がランチに誘ってくれて。

あたしは…飛び上がるほど嬉しい気持ち…な、はずなのに…

複雑でもあった。

だけど、今朝も咲華と華月に欲しい物がないかって聞いたり…

千里が、『ただそこにいるだけ』じゃない事をしてくれてるって思うと…嬉しかった。

本当は…

最近元気がないって気付いてくれただけで…嬉しかったけど…

…あたし、どこまで欲張りになってるんだろう。


自分の中で、色々考えてしまう出来事があった。

だけどあたしは…それを千里に打ち明けるチャンスを逃してしまって…

一度飲みこんでしまうと、もう…なかなかそれを口に出す事が出来なくて。

悶々と…自分の中で、何とか消化してしまおうって…


だけど。

だけど、あたし…このままでいいの?って。

毎日…そんな想いのまま…


「これなんてどうだ?」

千里がショーケースの中を指差して言った。

今日は二人でランチをして…

その後、まさかって感じで…千里が千幸義兄さんのお店『高階宝石』に連れて来てくれた。

もうすぐ千里の誕生日で…結婚式記念日。

それでなのかな…?

こんなに優しくしてくれるの。


あたし達は再婚してるから、記念日が複雑で。

最初の入籍からは…もう31年目だけど…一度別れたし。

再入籍の日は覚えにくいって理由で…記念日は結婚式をした千里の誕生日になった。

…だから、結婚して何年?って聞かれると…

あたしはいつも少し悩んじゃうけど…

千里は、記念日は結婚式の日を言うクセに、『結婚して31年目』って…堂々と言う。

…本当は、それもすごく嬉しい。

空白の三年も、ちゃんと想ってたって言ってくれてるみたいで。


「こんなに大きな石、いつするの…」

「誰かに『変な小走り』って言われた時に、そいつに向けてみるとかさ。」

「もうっ、何よそれ。」

「カエルになるかもしんねーぞ?」

「やだもう。」

千里がふざけて、あたしの前髪に触れる。

それが嬉しくて…つい、はしゃいでしまった。


「千里。その石に、そんな呪いの力はないぞ。」

いつの間にか、千幸義兄さんもそこにいて…

千里が勧めてくれた、大きなエメラルドの指輪を見て笑った。


「あっ…お義兄さん、お久しぶりです。」

あたしが背筋を伸ばして挨拶をすると。

「どこのカップルがイチャついてるのかと思ったら…我が弟夫婦だとは。」

千幸義兄さんは笑いを我慢した様子で、そう言われた。

…そんなにイチャついてたかな?


「何か気に入った物はないのか?」

千里があたしの肩を抱き寄せて、ショーケースを眺める。

気に入った物…って言われても…

何だか舞い上がっちゃって、何も目に入らない。


この歳になっても…こんなに夫の事が大好きなのって…どうなのかな。

聖子も瞳さんも、それぞれ旦那さんの事を好き…とは言わないけど…

愚痴や悪口の中にも、ちゃんと愛があって。

最後には『でもあたしじゃないとダメな奴だからねー』って…

…千里は…どうなのかな。

あたしじゃないと…ダメなのかな…


…あたしの『好き』は…

今も大き過ぎて。

自分でどうしていいか分からなくなる時がある。

…こんな事、誰にも言えないよ…

もう、結婚した16歳の時から…31年も経つのに…

近くにいる分、気持ちが大き過ぎて…欲張りにも贅沢にもなる。


…苦しい。

千里の事…

愛し過ぎて…


苦しい。

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