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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/05 23:37:07

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「知花。」

洗濯物を干してる知花に声をかけると。

「なあに?」

知花はキョトンとして振り返った。

…なぜキョトンとする。

あ、珍しいからか。

洗濯干し場に俺が現れるなんて、それこそ何十年ぶりだ。

「おまえ、今日オフだよな。」

「ええ。」

今日の俺は二時から夜まで。

それなら…知花と二人の時間も取れる。

「早めに行って、昼飯でも食わねーか?」

「……」

俺の言葉に知花は手にしていたタオルを床に落として。

「ど…どうしたの…?」

少し難しい顔をした。

「…何が。」

「だって…今朝も、咲華と華月に欲しい物ないかって…」

「…やましい事なんてないぞ?」

「分かってる。」

…やっぱ聞こえてたのか?

義母さんの野生的聴覚ほどじゃねーが、知花と華音の地獄耳もあなどれない。


「可愛い娘達に何か買いたくなる事なんて、普通にあるだろ。」

「そ…そうだけど…」

「おまえだって咲華にピアス買ってるじゃねーか。」

「あれは…」

「あれは?」

知花は少し考え込むような顔をしながら、床に落としたタオルを拾うと。

「……うん。お昼ご飯、行く。」

顔を上げて、言った。

「よし。」

知花の頭をポンポンとして、俺は意気揚々と大部屋に戻って、テーブルに出しっぱなしにしてた、F'sのスケジュール表をもう一度眺める。

…ビートランドを引き継ぐとなると…

俺は、どこまでF'sをやっていられるんだろう。

高原さんは、Deep Redを職業とはしていなかった。

会長として、ビートランドを動かして…

たまに、息抜きと言うか気晴らしと言うか…

その程度のペースでしか、Deep Redをしていなかった。

いや…

煮詰まった時のパワーにしていたのかもしれないが…

それは本当に…数年に一度。


ビートランドを引き継いで欲しいと言ってもらえるのは光栄だが…

俺は…

どうしても、まだまだ現役でF'sのフロントマンとして歌っていたいと思ってしまう。


「一緒にランチなんて久しぶり。」

香津に行こうと思ったが、電話をしたらいっぱいだった。

そんなわけで、知花が以前高原さんと来たというフレンチ。

高原さんとフレンチ…な。

そんなの聞いた事ねーけど。

こうしてみると、俺だって知花から聞かされてない事はいっぱいだぜ?

義母さん、なんだって…


「…F's、また何か出すの?」

スープを飲んでると、知花が言った。

「あ?なんで。」

「最近、よく会長室に呼び出されてるでしょ?何か作るのかなって、みんな噂してた。」

「……」

呼び出されるのは…

高原さんの隠居の件だ。

知花に相談してみろとは言われたが…

何となく、話す気にならねー。

知花がダメなんじゃなくて。

俺が、ダメなんだ。

受け入れられない。

引き継ぐって事を。

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