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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/05 22:45:07

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華月も負けず劣らず可愛い娘だが…

あいつは独特な空気を持っていて。

自分が心を開いている人間以外には、笑顔は見せない。

おまけに学校には変なメガネと三つ編みで通って、モデルをしている事は卒業までバレなかった。

華月は俺に似てる。

だからなのか…あまり心配もしてなかった。

聖もそばにいたし、まあ…詩生とくっつくかもしれないって言うのは…

想定内というか…

本当にそうなりそうになってからは、むしろ…詩生がどれだけ華月を守れる男に成長するか、見守っている。


…咲華には、俺の見える所に『男』がいなかった。

だから心配もした。

知花に似てるから、余計心配な所もある。

すぐ騙されそうだ。

志麻を連れて帰った時も…

陸には悪いが、二階堂の男と付き合うなんて許せない。と思った。

危険な仕事をしている男なんて…

いつか咲華が泣くような事になったらと思うと、いい顔は出来ない。

だが、咲華は志麻を愛して止まない。

もう婚約から二年以上経つと言うのに、咲華は志麻の事を辛抱強く待っている。

婚約から三年経ってしまう冬までに来なければ…

結婚の約束はなかったことにして、別れて欲しいと思う。


「ごちそうさまでした。」

咲華が手を合わせてそう言って。

「今日も美味しかった。」

食器を運ぶ。

「お昼までにお腹すかない?」

「仕事に集中して紛らわせるから。」

咲華が大部屋を出て行くと同時に、華月が起きて来た。

「おはよー…」

「あら、どうしたの?いつもより早いわね。」

「目が覚めちゃったから…」

朝の華月は…ボンヤリしている。

咲華は起きてすぐでもきちんとしているが…

華音と華月は起きてしばらくは、ボンヤリだ。

まあ、外ではちゃんとしていると信じたい。


「…華月。」

「……ん?」

男物の長袖の白Tシャツに、赤いダボダボなスウェット。

長い髪の毛は適当な感じに後ろで二つ折りにして結んでいて、それがあちこちにピンピンはねている。

化粧品のポスターなんかだと、我が娘ながら世界一の美人だ。と、惚れ惚れしてしまうが…

朝の華月は、本当に…

ガキの頃のままだ。


「…何か欲しい物あるか?」

「……」

知花の隣でグラスに牛乳を注いでいた華月は、それを持ってゆっくり俺の前に座ると。

「…買ってくれるの?」

眠そうな目を擦りながら言った。

「…何が欲しい。」

「チョコちゃんとこのコート。」

「コート?まだ今から夏だぞ?」

「千幸おじちゃまのお店のアンクレット。」

「……」

「来年の春の授賞式に着て行くドレス、七生さんちにオーダーしていい?」

「…チョコのコートは高原さんにねだれ。アンクレットは詩生に。ドレスはオーダーしてやる。」

「やったー。父さん、ありがとう。」

華月は寝起きにしては珍しく笑顔になって。

大きな一枚板のテーブルをぐるりと回って俺の隣に来ると。

「嬉しい~。父さん大好き。」

そう言って俺の腕に抱きついた。

知花も咲華も、こうしてくれると…俺は嬉しいんだがな。


「…何かやましい事でもあるの?」

ふいに、華月が小声で言った。

「…あ?」

「母さんに口止めしなきゃいけないような事。」

「…あるわけない。なんでそんな事を聞く。」

バカ。

いくら小声でも、知花は地獄耳なんだぞ?

俺はキッチンにいる知花の背中に視線を向ける。

…聞こえてないか…?


「だって…誕生日でもないのに、ドレスオーダーしていいなんて。」

「何か買ってやりたいって思っただけだ。」

華月は俺から離れると。

「そ?ならいいけど。あー、楽しみっ。」

そう言って定位置に戻った。

やましい事なんて…


あるわけがない。


俺はずっと、知花一筋だっつーの。

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