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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/05 06:52:44

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「本当に…なんてお詫びしたらいいか…」

あたしが頭を下げてるのは…

しーくんのご両親。

今日、急遽海さんのご両親が戻って来られる事になって。

あたしは…この機会に、しーくんのご両親に挨拶をしたいと思った。

婚約解消の時も挨拶に来ないで…今更な上に。

海さんと結婚なんて、しーくんのご両親から見たら…面白くないに決まってる。


二階堂に来てすぐに、あたしは海さんに口添えしてもらって…

武道場の向こう側にある、東家にお邪魔させてもらった。


「咲華さん、元はと言えば…結婚に踏み切らなかった志麻が悪いんですから。そんなに気にしないで下さい。」

お母様がそう言って下さったけど…あたしは顔を上げられないままだった…けど。

「それに…変な言い方ですが、実は…少しホッとしてます。」

続けて言われた言葉に…少しだけ顔を上げた。

「…え?」

「…坊ちゃんが、お幸せそうで…良かったって。」

「……」

それには…お父様も頷かれて。

「坊ちゃんが朝子と婚約していたのはご存知でしょう?朝子の我儘で婚約を破棄して…色んな不運が重なってしまっていた坊ちゃんには、私達もどう償えばいいのかと…ずっと胸を傷めていました。」

「あなた、それはちょっと言い方がおかしいわ。」

「どうして。」

「志麻と別れて坊ちゃんと結婚してくれてありがとう、みたいに聞こえるもの。」

「それはおまえが勝手に思ってるだけだろ?」

「そんな風には思ってないわ。でも…お二人とも幸せそうで良かったって、心底ホッとしてるのは確かよ。」

「それは…俺もだ。」

「あっ…ごめんなさい。二人でこんな事をベラベラと…」

「…いいえ…」


今まで何度か…お会いした事はあるけど。

その時、あたしはあまり歓迎されていなかったように思った。

二階堂の者は二階堂の者と。

それは…きっと、本家の人達だけの話じゃなかったんだと思う。

しーくんのご両親も、ずっと二階堂で働いて来られた人達だ。

だから…彼があたしと結婚したい…とご両親に話しても…

あたしは、なかなかお会いする事が出来なかった。

仕事の都合で。とは言われていたけど…

避けられていたと思う。

…でも、仕方ないとも思う。


「そろそろ頭がお帰りになる時間ですよ。本家の方にお戻りください。」

お母様が時計を見て言われて…あたしはもう一度深くお辞儀をして…家を出ようとした。

すると…

「…咲華さん。」

「はい。」

「…これからも、志麻に会う事があるかもしれませんが…堂々と、幸せでいらして下さい。」

「……」

「志麻は志麻の幸せを…見付ける日が来るはずです。その時には、坊ちゃんの隣で…祝福してやって下さい。」

ご両親は…優しい笑顔でそう言ってくださった。


しーくんを傷付けた。

その罪は消えないとしても…

それでもあたしは…あたしの幸せを生きる。

心の片隅で、ずっと…

しーくんの幸せを…願いながら。

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