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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/03 22:03:48

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「…紅美…電話じゃないか…」

あたしに腕枕したまま、ノンくんが言った。


今夜はノン君と…付き合い始めて、初めてのお泊り。

単独で取材を受けたあたしを迎えに来てくれたノン君と、そのまま空港の近くのホテルに。

て言うのも…

沙都と曽根さんが帰って来るから。

そのお迎え。


「んー…何時…?」

ノンくんはベッドの時計を見て。

「…4時…」

信じられないって顔で言った。

「…こんな時間に誰…」

スマホを手にして着信の相手を見ると…

「…父さんだ…」

あたしはガックリとうなだれる。

もう…

ほんっと、最近の父さんって…

「…俺が出ようか?」

「ううん…いい。」

あたしは大きく溜息をついた後。

「…もしもし。」

電話に出た。

『紅美?今どこにいる。』

「…寝てたのよ?」

『帰って来ないから心配するじゃねーか。』

「帰らないかもって言ったじゃない。」

『かも、だろ?帰るかもしれないと思って、心配して待ってたのに。』

もうお泊りは決めてたんだけど…

帰らないって言うと、根掘り葉掘り色々聞かれそうだったから…濁した。


…ノンくんと付き合い始めて二ヶ月。

だけど…あたし達は、まだ周りにそれを言ってない。

あ、沙也伽と希世、沙都と海君…それと曽根さん辺りも知ってるか。


別に…隠す必要はないんだけど…

何となく、特に父さんには…言えずにいる。

だって、父さん…

あたしが沙都とちゃんと付き合って、そして別れたって知った時も…

「年下は良くないから別れて正解。」

なんて…屁理屈を言ったらしい。

きっと、誰が相手でもいい顔はしないんだよ…

ノンくんは、イトコだ。

血の繋がりはないけど。

それでも、きっと嫌がると思う。


『誰と一緒なんだ。』

「…一人だよ…もう、寝るから切るよ?」

『おまえ、そんな事言っ』

プツッ

あたしは電話を切ると、電源も落とした。

「…陸兄、おまえが可愛くて仕方ねーんだもんな。」

ノンくんが起き上がって、あたしの首筋にキスしながら言った。

「…ごめん、起こして。」

「いや…起きたついでに、もう一回。」

「ふふっ…元気だね…」


秘密にしてる事を除けば…

あたし達は、本当に順調に…付き合えている。

バンドでは相変わらず厳しいノンくんだけど。

プライベートでは…すごく優しい。

でも、なかなかお泊りなんて出来なくて…

だから今夜はほんっっと嬉しい!!


母さんには、それとなく…彼氏ができた。って言ったけど。

父さんには内緒にしててねって言ってある。

あたしの彼氏事情を全て知ってる母さんから見ると…

どうせ長続きしない。ぐらいに思ってるのか。

「言わないわよ。また変わる恐れもあるしね。」

…ちょっと屈辱。


「紅美…」

「あ…」

指を組んで…何度も果てた。

ノンくんの重みを堪能するたびに…あたしの中に…湧いてくる物があった。


…年末、希世と沙也伽に二人めの赤ちゃんが産まれる。


あたし…

結婚…したいな…。

ノンくんは…

どう思ってるんだろ。

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