ブログランキング9

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2987
  • 読者 714
  • 昨日のアクセス数 29845

テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/03 21:02:13

  • 93
  • 0

「えー?あたしは連れてってくれないの?」

目の前で、母さんが唇を尖らせた。

「…今日は華月と約束してるんだ。」

父さんは前髪をかきあげながらクールに言ったけど。

「…いいわよ…一人で出かけるから…」

母さんの尖った唇は直らない。

「父さん、母さんも一緒に…」

あたしが声を掛けようとすると。

「おまえ、いちいち娘に妬くな。」

…父さんがピシャリ。

「……」

母さんは一瞬黙った後。

「…そうね。二人で楽しんで来て。」

急に笑顔になって。

「行ってらっしゃーい。」

あたしと父さんの背中を押した。

「あっ…ちょっと、母さんも一緒に…」

あたしが声を掛けた時には、すでに母さんは家の中。

「…父さん、どうして一緒じゃダメなの?」

スタスタと歩いてる父さんに問いかけると。

「知花とは二人で出掛けたいだけだ。」

…何とも…父さんらしい答えだけど。

「それって、ちゃんと言わないと母さんに届いてないと思うよ?」

「別にいい。」

「別にいいって…あたし前から思ってたけど、こんなんじゃいつか母さん、浮気しちゃうよ?」

本当に。

いつだって父さんは自分の考えを母さんに押し付ける。

しかも、ちゃんと言葉にせずに。

「今までしなかったんだ。これからもするわけがない。」

「すごい自信…まあ、もし母さんが浮気しても、あたしは母さんの味方しちゃうけどね。」

あたしがサラッとそう言うと。

「おまえ、自分が浮気された時の辛さを忘れて言ってんのか?」

父さんが足を止めて言った。

その言葉に、あたしはかなり…かなり頭に来た。

「…父さんって…」

「あ?」

さっきの母さんじゃないけど…唇が尖った。

父さんの事、嫌いじゃないけど…

今、この瞬間は…嫌いっ!!

「もういい。買い物行かない。父さん一人で香津で食べて仕事行けば。」

あたしは早口にそう言って、家に戻ろうと…

「待て。」

ガシッ。

戻ろうとした所で、腕を掴まれた。

「…何。」

「おまえが誘っておいて、それはないだろ。」

「それはないだろは父さんよ。」

「あ?」

「自分がイチャイチャしたい時だけ母さんに優しくて、母さんが買い物したかったりどこか行きたいって言った時は、いつだってのらりくらり理由つけて断っちゃってさ。」

「……」

「母さんがかわいそう。父さんとイチャイチャしてる時より、事務所で里中さんとアンプ直してる時の方が、母さん楽しそう。」

「……」

…あ。

しまった。

って思った時には、父さんはあたしの腕を離して歩き始めてた。

あー…やっちゃった…

…どうしよう。

里中さんと母さんの機材修理、父さんなりに…かなり目をつむってるんだよね…

だって、母さんて本当…電子基盤見ると目をキラキラさせちゃって。

里中さんとの会話なんて、あたし達にはチンプンカンプン。

二人の間に恋心なんてものは決して芽生えないとは思うけど…

…でも母さん…本当に楽しそうなのよ…

父さんにギュッとされてる時より…。


父さんを追い掛けて、香津で謝ろうかな…

…ううん。

だって本当の事だもん。

父さん、少し反省した方がいい!!

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

10/23 編集部Pick up!!

  1. 友人の結婚式に呼ばれず仲間外れ
  2. 3年も不倫続ける姉を説得したい
  3. 不倫相手と関係切れていなかった

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3