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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/03 18:06:23

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「あいたた…」

「もう、なっちゃん身体かたいなあ。」

「俺は年の割に柔らかい方だぞ?」

「誰と比べたのよ。」

あたしとなっちゃん、お風呂上りにリビングでストレッチ。

結婚してから、ずーっとやってる。

あ、なっちゃんが入院してた時以外ね。

♪♪♪

「さくら、携帯鳴ってるぞ。」

###

「なっちゃんの携帯も部屋で鳴ってる。」

「…おまえ…相変わらず地獄耳だな。俺のはバイブになってるのに…」

あたしが携帯を手にしてメールを見ようとすると、なっちゃんは『よっこらしょっ』って立ち上がって部屋に向かった。

「よっこらしょって。」

「あー?」

「よっこらしょって言ったー。おじいちゃーん。」

「あー、はいはい。俺はおじいちゃんですよー。」

「ふふっ。」

スマホを手に戻って来たなっちゃんは。

「おっ…咲華からだ。」

そう言ってすごく笑顔になった。

「みんなに送ったみたいね。」

ディスプレイには『咲華です。元気です。心配かけてごめんなさい。旅立たせてくれて、ありがとう。週末に帰ります』って。

「あたし達も週末に桐生院に行く?」

「そうだな。これ、写真撮って咲華に送ってくれ。」

なっちゃんはスマホの画面を自分の頬辺りに押し付けて、あたしに密着した。

ふふっ。

もう。

おじいちゃんだけど、可愛いなっちゃん。

「いい?撮るよ?」

「おう。」

カシャッ。

「どれどれ。」

なっちゃんがあたしの携帯を覗き込む。

「なかなかいい。」

「ふふっ。じゃ、なっちゃんにも送るね。」

「待ち受けにしよう。」

「じゃ、あたしもー。」


毎日…すごく楽しい。

なっちゃんは一日の大半をあたしと過ごす事が多いし…

いつまで…こうしていられるかなあ…って、本当はその不安が大きいんだけど…

###

膝に置いたスマホが震えて、なっちゃんが大袈裟に身体を揺らせて…笑った。

「来週、ナオトんちでランチしないかって。」

「えー、いいなー。」

「おまえもだよ。」

「あたしも行っていいの?」

「全員集合らしい。」

「わあ!!楽しみ!!」

嬉しくて、なっちゃんに抱きつく。

「…犬か。」

「ワン。」

「……」

なっちゃんは優しくあたしの頭を撫でながら。

「…さくら、毎日…ほんと、ありがとな。」

優しい声で言った。

「…そういうのやめて。お互い様だから。」

あたしが唇を尖らせて言うと。

「…だな。まだまだこれからも、ずっとずっと…よろしく頼むよ。」

なっちゃんはあたしの頭をぐいっと抱き寄せてくれた。

「うん…ずっと一緒だよ…」

♪♪♪

「あ、咲華から。優しいメールをありがとう。週末が楽しみになった…ですって。ふふっ…いい子ね。」

あたしがなっちゃんの腕の中でそう言うと。

###

なっちゃんにもメールが来た。

「…幸せのお裾分け、ありがとう。大好き…だってさ。」

「咲華ったら。」

「可愛い子だ。」

「本当。」


なっちゃんの腕の中は…心地いい。

あたしが寝たきりの頃、ずっとこの腕の守られてたのを思い出す。


サイドボードには…周子さんと、貴司さんと…お義母さんの写真。

あたし達は…今もみんなに守られて生きてる。


ずっとずっと…幸せでいるよ?

だから…

もう少し…見守ってて。

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