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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/03 14:29:16

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「よし…と。」

一応荷物は詰め終えた。

細々した物は、直前でいいかな。

海さんとあたしのスーツケースを並べて置いて、納戸を出ると…

「…あれ?」

リビングに、沙都ちゃんと曽根君がいない。

リズちゃんも。

「…二階かな?」

廊下から階段を覗き込むようにして見上げるけど…話し声も笑い声も聞こえない。

玄関のドアを開けて外を見ても…前庭にも、どこにも…三人の姿がない。

んー。

やっぱり二階?

そう思って階段を上がって、各部屋をノックしてドアを開けるも…誰もいない。

えー?

もう一度下に降りて、ガレージを覗いてみる。

でも…車もあるし、沙都ちゃんの自転車もある。

裏庭に回ってみたけど…見つからない。

書き置きがあったかな?とリビングに戻るけど…何もない。

スマホを見ても、何の連絡もない。

「どこ行ったの~?」

家の中でキョロキョロして、沙都ちゃんに連絡しようとスマホを見てると…

「こんにちは。」

開けたままにしてた玄関に、富樫さん。

「…富樫さん…」

「どうかされましたか?」

「あ…沙都ちゃんと曽根君とリズちゃんがいなくて…」

富樫さんは『おや?』って感じの顔をして首を傾げると。

「えーと…咲華さん、荷造りはお済みになられましたか?」

柔らかい笑顔。

「え?帰国の…荷造りですか?」

「はい。」

「終わりましたけど…」

「……」

富樫さんはまた少し不思議そうな顔をして。

「何か…ミッションがありませんでしたか?」

「…ミッション…?」

海さん…仕事の資料は持ち帰らないって言ってたけど…

もしかしたら、本部でも秘密にしなきゃいけないような事案があったりするのかもしれない。

そういった物を、うちでやり取りするために…

あのキャビネットを?


「……」

「……」

富樫さんが…少し赤くなった気がして。

あたしは…つい…あの雑誌を思い出してしまった。

「え…えーと…あの…ミッションってまさか…」

「…何か…読まれましたか?」

富樫さんの顔付きが、険しくなった気がする!!

「よ…読んだって言うか…パラパラって…」

「パラパラ…?」

「だって…あまりにもその…露出が…」

「…露出?」

あたしは一度納戸に行くと、キャビネットに戻しておいた雑誌を手にリビングに戻って。

「…これ…ですよね?」

顔を背け気味で…富樫さんに手渡した。

「こ…これは…?」

「ミ…ミッション…?」

少し眉間にしわが寄ってしまったかもしれない。

海さん、こういう雑誌を使ってミッションを出すんだ…

あたしには分からないけど、何か重要な…

「…これはどこに?」

「…海さんの…Tシャツの入ったキャビネットです…」

「そうですか…でも、これ以外にも何か入っていませんでしたか?」

「これ以外…これ以外は…」

あたし宛ての手紙。

「…富樫さんにお渡しするような物は特に…」

「……」

「…え?」

「ふっ……ふははははは!!」

「……」

「あ…あ…っ…しっ失礼しました…ふっ…」

何だか盛大に笑われてしまって、あたしは途方に暮れる。

こんなに笑われるって事は…違うのかな?

この雑誌、もしかして…ただ単に海さんの趣味だとしたら…

それを部下に見せてしまうなんて、あたし最低!!

海さん、ごめんなさい!!

「率直にお聞きしますが…手紙が入っていませんでしたか?」

笑いがおさまってない富樫さんが。

口元の震えを我慢しながら、そう言った。

「手紙…ありましたけど、それは…あの…あたし宛てで…」

「それです。最後まで読まれましたか?」

「…え?」

「ミッションが書いてあったはずです。」

「…ミッションって…あたしに?」

「は…ふっ…しし失礼しました…はい…」

…ああ、もう…恥ずかしい!!

あたし、ずっと勘違いしてた…!!

両手で頬を押さえながら納戸に行って、自分のキャビネットにおさめた手紙を取り出す。

海さんの名前を読んで、安心してたけど…

……もう一枚あった。


『これを読んだら『Lizzy』に来て欲しい。みんなで待ってる』

「……Lizzyって…あのお店…?」

あたしはもう一度手紙を表裏と確認して、それを丁寧にキャビネットにおさめると。

「お店に来てって書いてありました。みんなで待ってるって…沙都ちゃん達も行ってるのかな…」

慌ただしくリビングに戻って、富樫さんに言った。

「ですね。お連れいたします。」

富樫さんは笑顔で…手にしてた雑誌をテーブルに置くか悩んだ後…

「これ、恐らく曽根さんの物だと思われます。お聞きした彼の好みと一致しますから。」

雑誌をポンポンとして、ゆっくりとソファーに置いて、その上にクッションを乗せた。

「さ、まいりましょう。」

「あ…はい…」

富樫さん…

曽根君の好みが載ってる…って。

…見たのね?

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