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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/03 10:15:53

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「また走りに行ってたの?」

ホテルに戻ると、部屋の前にお嬢さんがいた。

「気になる?」

少し笑いながら問いかけると。

「…別にいいけど。」

お嬢さんは唇を尖らせた。


たぶん…お嬢さんは気付いてる。

俺が、ボスの家まで走りに行っている事に。

「…シャワーするけど、中で待つ?」

ドアを開けながら言うと。

「…セックスしよ。」

お嬢さんは俺の腕を掴んで、そう言いながら部屋に入った。

「……」

昨日薫平に会ったから、テンパってるのか?

朝から部屋の前で待ち伏せて、『セックスしよう』なんて。

悪い気はしないが…薫平に釘を刺された。

咲華を想いながら、お嬢さんを抱くな…と。


だが…

ただ単に、俺は今現在…お嬢さんに望まれているし、求められている。

それが例え、薫平か聖氏への想いを断ち切るための道具にしか過ぎないとしても。

それは俺も…似たような物だ。

傷の舐めあい。

それはそれで、感情はなくても心地良く感じられる物でもある。

何より…俺とお嬢さんは同志だ。

その点では、薫平より絆は深い。

…それでも今の今、薫平に会ったばかりで…


「今夜なら考えてもいいけど、今はさすがに。」

一応、そう答えてみると。

「嘘ばっかり。体力だけは有り余ってるクセに。」

見抜かれた。

「……」

頭を抱き寄せて、首筋を甘噛みする。

すると…

「…志麻、猫の匂いがする。」

さすが、お嬢さん。

「…薫平と会ってたの?」

「あいつが湧いて出て来た。」

「……」

「気になる?」

「…もういい。先に行く。」

パタン。とドアが閉まるのを、黙って見送った。

首にかけたタオルを外しながらベッドに座って、小さく溜息をつく。


お嬢さんの恋を…応援してあげたい。

そう思う反面、どん底に落ちた俺の手を引っ張り上げようとしてくれた彼女の手を、離したくない気持ちもなくはない。

…むしろ、繋いでいたいとさえ思う。


まだ捨てきれない咲華への想い。

その想いを抱えたまま…俺はどこへ行けばいいのだろう。

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