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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/03 06:52:46

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「こんにちは。」

ドアを開けると、そこに…笑顔の…

「あっ…こんにちは…」

「突然来てごめんなさい。近くを通ったから…」

海さんの、お母様。

「お邪魔して…大丈夫?」

首をすくめてそう言われて。

「もちろんです。あ…でも、ちょっと散らかってますけど…」

あたしはリビングを見渡した。

今朝、沙都君と曽根君が寝坊して、バタバタと出かけて行った。

その残骸が、まだ…

「いいのよ。女だけで、美味しい物でもと思って。」

お母様はそう言って、手にしてる袋を見せながら首を傾げられた。


「あー、ぱっ、んまっ、まっまっ。」

「まあ、お喋りが上手ね。」

お母様にリズちゃんを見てもらってる間に、あたしはお茶を入れた。

持って来て下さった袋の中身は、お饅頭だった。

こっちに来て一ヶ月…

桐生院では、お茶の時間によく登場してたお饅頭や羊羹が、急に懐かしくなった。


「…咲華さん。」

お茶を出してすぐ、お母様があたしに向かって姿勢を正されて。

「海を…笑顔にしてくれて、ありがとう。」

そうおっしゃった。

「えっ…あっ、いえ…そんな…あたしの方が…海さんに笑顔にしてもらってます。」

リズちゃんは、お母様の膝の上。

人見知りしないいい子だけど、少し寂しいなあ…なんて思ってしまった。

「海から、全部聞いてる?」

「何の…事ですか?」

「今まで結婚出来なかった事とか。」

結婚しなかった、じゃなくて…出来なかった…?

もしかして、お母様は…紅美ちゃんとの事もご存知なのかな…なんて思った。

「全部かどうかは分かりませんが…あたしが不安にならないように、と…話して下さいました。」

「そう…」

「……」

お母様は静かにお茶を口にされて。

「…海は…空と泉とは父親が違うの。」

あたしの目を見て、言われた。

「……」

パチパチ。

パチパチパチ。

と…つい、無言で瞬きを繰り返す。

「この話は聞いてなかったのね?」

「…はい…」

海さんのお父様は…とても優秀な方で。

しーくんからも、その話は聞いてた。

護衛の身でありながら、本家のお嬢様だったお母様とご結婚された。

当時から、二階堂ではズバ抜けて優秀で。

今もずっと…みんなの憧れの的だ…と。


うちの父さんはすぐにムッとしたり、キレたりする人だけど…

海さんのお父様は、カッコ良くて…穏やかだけど筋の通った方だと思う。

おじい様の施設に会いに行った時、あたしに席を外して欲しい、と。

あたしに聞かせたくない話も出て来るかもしれないから、と…ちゃんと理由も言って下さった。

あたしはそれをすごく納得出来たし、頭ごなしに拒絶されているわけじゃないんだ。と、安心もした。

海さんは…そんな所はお父様に似てるって思ったけど…


「海の…本当の父親とは、初恋でね。」

「……」

「だけど、世界が違い過ぎるから…私は別れを選んだ。」

お母様は…あたしの叔母婿である陸兄の…双子のお姉さん。

今までも何度か…小さい頃も含めて、ほんの数回…お会いする事はあったけど。

こうして、近くで面と向かって座るのは…初めてで。

伏し目がちになられた時は、陸兄とそっくりだな…って思う。

あたしと華音も、そう思われる事…あるのかな。

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