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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/02 21:34:01

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「海さん、帰国するお休み取れた?」

あたしがそう言うと、海さんは一瞬動きを止めて。

「……取れるよ。」

抱っこしてるリズちゃんに頬擦りしながら小声で言った。

ミルクを飲みほしたばかりのリズちゃんは満足そうに笑って、海さんの頬を小さな手でピタピタと叩いた。


「あっ。忘れてたんでしょ。」

「忘れてたのとは違うな。」

「じゃあ何よー。」

「何か当ててみるか?」

「もうっ。何それ。」

「ふっ。」


…忘れてても仕方ないよ。

ご家族が一度にこちらに来られて…

思いがけず、あたしと皆さんの対面が早まってしまった。

さらには…

しーくんの事…

連日こんな事があったら、そんなの後回しにもなるし…忘れちゃうよね。


「…どうした?」

無言で海さんの腕にすがると、海さんは首を傾げて…あたしの頭にキスをした。

「…大丈夫…よね…?」

「何が?」

「……何でもない。」

「そりゃないだろ。」

「……」

「さ、言って。何。」

海さんはリズちゃんを左手で抱えて、空いた方の右手であたしを抱きしめた。

「うちの家族は…海さんのご家族ほど、すんなりいかない気がする…」

「それは覚悟済み。」

「…それに…」

「それに?」

「……」

つい、無言になってしまう。

本当は心配でたまらないけど…あたしが心配していいのかって気持ちもあって…

上手く口に出せない。

「…志麻と泉の事か?」

海さんの言葉に顔を上げた。

「ふっ。相変わらず顔に出やすい。」

海さんは小さく笑うと、あたしの前髪をかきあげて。

「俺だって心配だ。だけど…本人達がそうだと言い張るなら、ここから先は二人の問題だ。」

あたしの目を見ながら…そう言った。

「志麻は…あの場を鎮めるために、泉の話に乗ったのかもしれないけど、これをキッカケに変わる事もあるかもしれない。」

「…泉ちゃん…本気なのかな…」

「…見守るしかないさ。」

「…そうだね…」

海さんの胸は…安心する。

この人は、本当にいつも…あたしの事、すごく大事にしてくれる。

…大切な人…

あたし…この人を失いたくない。


「あー。んまっ。まっ。」

「ん?ミルクが足りないのか?」

「ご飯、あんなに食べたのに?」

「食欲はママ似だな。」

「もうっ。」

穏やかな朝。

幸せな時間。

なのに…

しーくんのやつれた横顔が、頭から離れない…


「…咲華。」

「ん?」

名前を呼ばれて顔を上げると。

チュッて…唇が来た。

「大丈夫。何があっても…俺達は一緒だ。」

目をしっかり見つめて、そう言われて…

胸がギュッとなった。

…うん。

あたし達、何があっても…一緒。

「…愛してる。」

急に言いたくなって、海さんの目を見たままそう言うと。

海さんは少し驚いた顔をした後。

「…不意を突かれた…」

そう言って、すごく照れて…

「俺も、負けないぐらいに。」

もう一度…キスしてくれた。

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コメント2

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  1. マリアンさん(50歳)ID:6609064・10/02

    海君、頑張れ!千里と華音は手ごわいぞ!

  2. マコトさん(29歳)ID:6609061・10/02

    キューン!!!

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