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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/02 19:56:19

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「ちょっと。なんでさっさと帰るのよ。」

ホテルの部屋の前で仁王立ちすると、志麻は少し目を見開いて…次の瞬間小さく笑った。

「…本当ですね。失礼しました。」

「ご飯食べに行く?」

「……」

「それとも、飲みに行く?」

「…お嬢さん。」

「ん?」

「…あの場を鎮めるために、あんな嘘をつかれたのでしょう?」

志麻は…ここ最近見せなかった表情。

久しぶりだな…こんな顔。

…って。

「は?何?嘘?じゃあ…志麻が兄貴に言ったアレは、嘘なの?」

あたしが眉間にしわをよせまくって問いかけると。

「…お嬢さんに合わせたつもりなのですが…」

志麻は少し首を傾げて。

「少し、言い過ぎたでしょうか…」

困った顔になった。

…正直…まあ…志麻は見破ってるわけよね。

あたしが…志麻を好きになっちゃった…なんて。

説得力ないよね…

ドイツであれだけ、聖だの薫平だのとの色恋の愚痴を吐き出して。

弱ってる志麻に塩を擦り込むような事も平気で言った。


「…あたしに合わせて兄貴に嘘ついたって事?」

「…そうなってしまいますね。」

「悪いけど、あたしのは嘘じゃないんだけど。」

「……」

「…あたしにぬか喜びさせた…と。」

肩を落として唇を尖らせる。

半分は本音だ。

志麻、あたしの励ましに、心動いたのかな…なんて思ったりもしたし。

…ま、あたしごときに好きって言われても…って事かな。

咲華さんの後があたしじゃ、そりゃあ志麻も…病んでるって思われても仕方ない。


「…本気で私の事を想って下さってる…と?」

志麻が遠慮がちな声で言った。

「本気じゃなかったら、部屋まで来ないよ。」

「……」

「…あたし、惨めじゃん。」


ぶっちゃけ…

志麻に、兄貴と咲華さんの邪魔をして欲しくない。

これが…本音。

だから、志麻さえその気になれば…

あたしは志麻と結婚して、ドイツでもイタリアでも、日本とアメリカ以外に拠点を置けばいいと思ってる。


「…本気にしていいんですか?」

ふいに…腕が伸びて来た。

その腕は、あたしの腰をギュッと抱き寄せて…かなり距離を縮めた。

「いいよ。」

「……」

「ちゃんと…あたしの事、好きになって…」

志麻の首に腕を回す。

「…泉…」

耳元で…あたしを呼び捨てる志麻の声。

それを聞いて…あたしは目を閉じた。


…志麻とは同志だもん。

傷の舐めあいみたいではあったけど…寝れたりしたし。

…何てことないよ。

うん。

何てこと…ない。

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コメント1

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  1. マコトさん(29歳)ID:6609012・10/02

    なんも言えねーー!

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