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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/02 04:13:22

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「おはよう。」

「おはようございます。」

昨夜…沙都と飲んだが酔えなかった。

緊張していたのだろうか。

寝室に入ると、咲華も…目は閉じていたが、恐らく眠ってはいなかったと思う。

いつも聞こえてくる寝息とは違っていた。


今朝はいつも通り…リズに離乳食を食べさせて、咲華と朝食をとった。

トシはいつ帰って来たのか、相当遅かったのか起きて来ず。

沙都も俺が出かける頃にやっと眠そうな顔で二階から降りて来た。


「富樫。」

「…はい。」

椅子に座って声をかけると、富樫は少し緊張した面持ちで俺の前に立った。

「…志麻は来てるか?」

「…はい。恐らく…昨日は帰っていないと思われます。」

「え?ずっとここに居たのか?」

「地下のデータ室にこもっているかと…」

「……」

無意識に…指を組んで指輪を触っていた。

今までも…志麻が徹夜でデータ閲覧をしていた事はあったじゃないか。

二階堂では珍しい事ではない。

俺だって…現場が立て込む時には、そうする事があった。

…ただ、今は…

徹夜してデータを見なくてはならないほどの現場は、ない。

それだけで…

志麻が仕事以外の事を考えたくないと思っているのが…分かる。


…どうせ来週には帰国して言うつもりだった。

それが少し早まっただけだ。

何てことない。

正直に…話して…

頭を下げるだけだ。


「……」

意を決して立ち上がると。

「ボス…私も…ついて行ってよろしいでしょうか。」

富樫が眉間にしわを寄せて言った。

「…昨日、志麻と何か話したか?」

「何があったのかと聞いても…自分がバカなだけだ、と言い張って…」

「…別れた理由は言わなかったのか。」

「あの日…と何か話しかけたのですが、結局は結婚に踏み切れず待たせ過ぎたせいだと。」

「……」

それだけじゃない気がする。

だが、二人が口にしない理由を無理矢理聞き出そうとするのも悪趣味だ。

「一人で行くよ。」

前髪をかきあげて言うと。

「どうか…私も同行させて下さい。」

富樫は鬼気迫るような表情…

「志麻は…普通ではありません。」

「……」

「ですから…どうか、同行させて下さい。」

「…分かった。」

富樫の迫力に押された。

志麻が普通じゃない…?

それほどに…咲華との別れは志麻の精神を蝕んだと言うのか?


富樫とエレベーターに乗り込んで、地下二階に降りる。

データ室に向かいながら…

俺は、志麻と瞬平と薫平、弟のように育った三人の事を思い浮かべていた…。

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