ブログランキング16

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 3560
  • 読者 749
  • 昨日のアクセス数 10636

テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/01 20:30:05

  • 90
  • 0

俺に投げ付けて床に落ちた資料を、お嬢さんが拾い始めた。

…相手が辛いより、自分が辛い方がマシかなって。

そう言ったお嬢さんを…痛々しく思った。


俺の知る泉お嬢さんは…

二階堂家の末っ子で、甘えん坊で寂しがり屋。

その反面、現場で発揮する洞察力や身体能力、判断力や集中力は群を抜いて素晴らしく…

女性にしておくのがもったいない。と、どこに行っても賞賛されている。


いつまで経っても這い上がれない俺に付き合って飲んで…

咲華の名前を呼ばれながら抱かれて…

自分だって同じだから気にするな、と。

…俺はなんて情けない男なんだ…と、自己嫌悪にも値しないほどの想いを持つと同時に…

お嬢さんの、不器用な性格と…

そうでありながら、とてつもない包容力に感動した。


「…えっ?」

気が付いたら…お嬢さんの腕を取って、胸の中に抱きとめていた。

何がどう…と言うわけではないが、そうしたかった。

「……」

「……」

お嬢さんも特に何か言われるわけでもなく…

しばらくそうしていると、背中に手が回って…ポンポンとされた。

「……志麻。」

「……はい。」

「…眠くない?」

「…そう言えば。」

「ベッド、連れてって。」

「…はい。」

そのままお嬢さんを抱えてベッドへ。

正直…咲華と別れて、ちゃんと眠れた日がない。

「ふぁ~…」

ベッドに降ろすと、お嬢さんは大げさなぐらいに欠伸をして。

「眠れなくても死にゃしないけど、残業はほどほどにね。」

俺が眠る気がないのをお見通しだったのか、そう言って…すぐに目を閉じた。

「……」

眠れる気はしないが…隣で横になってみる。

…本当なら、大問題だ。

お嬢さんと寝て…今もこうしてベッドで隣に横になっている。

うちの両親が知ったら、頭と姐さんに土下座どころか…死ね‼︎と言われかねない。


「……」

お嬢さんの寝顔を見つめる。

この人も…二階堂でなければ…

今頃、桐生院の名字を名乗る事が出来ていただろうに…


咲華の名前を呼びながら抱いてしまった事を、とても後悔した。

自分の異常さにも…嫌気がさした。

早く…立ち直りたい。

そう思うのに…

俺はそれからもしばらく、闇の中に一人で立ちすくんでいるような感覚のままだった。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

  1. 1

    MyhoneyCin...

    46分前

    ひみつの恋。

    まきちむ

    記事数 18515 / 読者数 4154

  2. 2

  1. 3

    When love ...

    15時間前

    リノ

    記事数 785 / 読者数 1688

  2. 4

    m@s diary

    2時間前

    はじめての人、はじめての恋。

    ミツキ

    記事数 337 / 読者数 634

関連するブログ記事

  1. 「いいじゃない、知花。別に、のぞきに行ったりしないから。」...

  2. 45th 34

    09/27

    悪夢にうなされてると…耳元で『大丈夫よ』と声が聞こえた。...

  1. 45th 12

    09/25

    キャリーケースとショルダーバッグを探しに、二階に上がった。...

  2. 「おまえにも、咲華さん以外の女性を愛せる日が来る。それは、意...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

2/24 編集部Pick up!!

  1. 無意識にマウンティングするかも
  2. 共稼ぎなのに夫が家事をしない
  3. 何もない所で何かを呼ぶ娘が怖い

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3