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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/01 18:40:44

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「……」

朝起きると、華音からメールが届いていた。

いや…

メールというか…

「ふっ…ベッタリだな。」

その写真を見て、つい口に出してしまう。

ディスプレイには、華音と紅美のベッタリなツーショット。


『海。俺と紅美…付き合う事にしたから。』

そう電話がかかって来た時…

俺は、やっと…という感激にも似た想いに、一瞬言葉を失った。

「…おめでとう。」

感慨深く、その言葉を口にしたが…

『本心か?』

華音には疑われた。

「本心さ。本当、良かった。」

出来れば…紅美の相手は華音であって欲しいと思っていただけに。

その報告は待ち焦がれていた物でもあった。


その日は仕事中に何度もその写真を見て口元をほころばせた。

明後日から少し厳しい現場に入る俺に、束の間の幸せにも思えた。

早速それをプリントアウトして、手にして見ていると…

「ボス、何かいい事でも?」

富樫が覗き込みたそうに首を伸ばした。

「ああ…これか。」

ピラッと写真を富樫に見せると。

「……」

富樫は一瞬能面のような表情になった。

「どうした?」

「…いえ…これはー…とても…その…」

「幸せな写真だろう?」

「…はい…」

「リビングに飾ろうと思う。」

「そ…それをですか?」

「ああ。二人とも…俺には親友だ。」

「……」


その日、帰り道でフォトフレームを買った。

なぜか富樫がついて来たがって、一緒にうちで晩飯を食う事にもなった。

俺がその写真を飾って眺めているのを、富樫は少し怪訝そうに見ていた。

「…華音が嫌いなのか?」

ビールを飲みながら問いかけると。

「いっいえ、とんでもない…素敵なお写真だと…」

富樫は慌てたようにそう言った。

…本当に。

頬を寄せ合って、とても自然な笑顔の二人。

華音に、こんな笑顔が出来たのか…と思うと、そこは紅美の力の大きさを感じた。

ようやく…結ばれるべくして結ばれた二人。


…それにしても。

文章ぐらい付ければいいものを。

写真だけって、どういう事だ?

ま、華音の事だ。

俺にとどめを刺した気にでもなっているんだろう。


俺はもう…

誰かと恋をするなんて事はない気がする。

そう思っているからか、華音と紅美の幸せそうな顔は喜びでしかなかった。

自分に訪れない部類の幸せだ。

俺は今後…仕事にだけ情熱を注ぐ。

紅美との間の亡くしてしまった命…

そして、俺が死なせてしまった一般人の事を思うと、自分の幸せなど…

もう、願う事はない。

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