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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/01 07:29:40

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結局…華音と紅美ちゃんと三人で一日過ごして。

あたしは旅立つ事を勝手に決意したし…一人で先に帰るって言ったんだけど、意外と華音はあっさり紅美ちゃんを事務所に送り届けると。

「フィナンシェ買って帰ろうぜ。」

事務所の近くにあるエルワーズの前でそう言った。

二人で並んで紅茶を選んだり、フィナンシェや人気商品のダックワーズを見てると。

「ノン君にサクちゃん?」

声を掛けられた。

振り返ると…

「あれ?一人でこんな所に来るんすか?」

華音が珍しそうにそう言った。

そこには、茶葉の袋をいくつか手にした早乙女さん。

「嫁さんに頼まれて。」

「へー。早乙女さん、お茶違いなイメージっすけど。」

「華月ちゃん用だ。」

笑顔でそう言った早乙女さんに、あたしと華音は目を丸くした。

華月のために…紅茶を?

「最近よく来てくれるから、俺と嫁さん調子に乗って華月ちゃんの好きな物リサーチしてさ…あっ、甘い物が好きって聞いたけど、特に好きなのって何だろう?」

「…華月はー…」

あたしと華音、顔を見合わせて。

「シュークリームが好きです。」

「毎日食っても飽きないらしいっすよ。」

笑顔になった。

ああ…

華月と詩生君、上手くいってるんだ。

あたしとしーくん同様…同じ頃に詩生君が華月をお嫁さんにくださいってうちに来て、父さんに殴られた。

華月達は婚約って形は取らなかったけど…何だか…二人の間にある空気がすごく穏やかで。

あたしは…それをいつも羨望の気持ちで見ていたかもしれない。

あたしも…あたしだって…って。

…だから素直になれなかったのかな…


「…早乙女さん。」

レジで早乙女さんと隣に並んで。

あたしは声をかける。

「ん?」

「華月の事…可愛がってくださって、ありがとうございます。」

そう言って、ノッポな早乙女さんを見上げると。

「…サクちゃんはずっと変わらず、いいお姉さんだね。」

って、頭を撫でてくれた。

…何だろ。

しーくんと別れても涙が出なかったのに。

早乙女さんに頭を撫でられて…少し泣きそうになった。

それでもあたしは笑顔で。

「優等生ぶってるだけなんですけどね。」

首をすくめた。

「サクちゃんにこれを一つ買ってあげよう。」

早乙女さんが、レジの隣にあったピンク色のリボンの付いた缶を手にして笑った。

「えっ、そんな…」

「いいからいいから。」

「俺にはないんすか?」

「華音には似合わない。」

「ちぇっ。」

早乙女さんにお店の前でお礼を言って、手を振って別れた。

昔から…すごく優しくて穏やかな人。

母さんのバンドメンバーの人達はみんな大好きだけど、早乙女さんは…何か独特な雰囲気があって…

テンポも何だかあたしと近い気がして…

一緒に居て落ち着ける人だなって思ってた。

華月の事、すごく大事にしてもらえそう。

早乙女さんにも、奥さんにも感謝だ。


「それ、中身何。」

華音が、缶を指差して言った。

「何だろ。」

助手席に座って、促されるがままに開けてみると…

ハート形のクッキー。

『Be Happy』の文字入り。

「……」

何てことないのに…あたしが無言になってしまうと。

「一ついただき。」

運転席から手を伸ばして、華音がそれを口にした。

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コメント2

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  1. マコトさん(29歳)ID:6608379・10/01

    しゃおとめさーん!!!

  2. ヒカリさん(99歳)ID:6608376・10/01

    三位ありがとうございます!
    が、ハード更新のなせる技です💦
    本当すみませんm(_ _)m
    今日はぼちぼち更新です。

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