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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/01 04:24:36

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「わー!!なんでここに!?」

華音に連れて来られた木工所で、紅美ちゃんの写真撮影があった。

強い目をした紅美ちゃんを見てると…少し…複雑な気持ちになった。


あたしのおばあちゃまは…すごく耳がいい。

それは、母さんと華音にも遺伝してる。

あたしの耳は、人並みだと思うけど…

その分、なんて言うか…

たまに、なんだけど。

特別な何かが、発揮される事がある。

それは、本当に…口では言いあらわせられないんだけど…

高原のおじいちゃまと母さんの血の繋がりには…全然発揮しなかったと言うのに。

あたしはあの日…

しーくんのアルバムを見たあの日。

しーくんと手を繋いで、首を傾げて笑っている朝子ちゃんの写真を見た途端。

この二人は…血が繋がってない。

そう思った。

まだ赤ちゃんだった朝子ちゃんと…

その次に写っていた朝子ちゃんは、違ってた。

成長したから…っていうんじゃない。

あきらかに、別人だった。

そして…


「咲華、撮って。」

ボンヤリしていると、華音があたしにスマホを渡した。

「あ、うん。」


…小さな頃、華音はあたしみたいによく笑って少し天然で。

性格までそっくり。なんて言われてた頃があるけど…

あたしよりずっと繊細な華音は、周囲からの過剰反応でクールになった。

特に…初対面の人に対しては、突き刺すような視線や冷たい態度を取ってしまう。

だけど…

「もうっ、くっ付き過ぎ。」

「そうか?うちでは普通だぜ?」

「…ちさ兄を普通って認めてしまうノン君…」

「いいから。咲華、バッチリよろしく。」

目の前で、紅美ちゃんと頬を寄せ合ってる華音。

その笑顔に…あたしは小さく笑う。

…良かったね。

長年の片想いが実って。

そして…こんな風に笑えて。

「撮るよー。」

あたしはそう声をかけて、二人の様子を…

パシャパシャパシャパシャ。

「あっ、咲華ちゃん、連写しちゃってるよ?」

「あら?軽くしか触ってないのに。」

「ったく…ボケてんのかよ。」

「いいじゃない。フォルダがツーショットばっかりになって。」

不必要に連写して、華音の画像フォルダは写真用の笑顔の二人と、あたしに突っ込もうと呆れた顔…それから、あたしのボケボケ具合に自然と笑顔になった二人でいっぱいになった。

「…でかした。」

フォルダを確認して、満足そうに華音が笑う。

…父さんそっくり。


「これ、あいつらに送ってやろ。」

「えー?もっと普通のにしてよ。」

「見せ付けてーんだよ。」

「仕方ないなあ…」

華音と紅美ちゃんの会話を聞きながら、あたしは木工所の中をぐるりと見渡した。

木のいい匂い…


初めて来る場所に、少し癒された。

もしかしたら、今のあたしには…自分の知らない土地が必要なんじゃないかな。

そう思うと、尾行されてたとは言え…華音に感謝。

あたし…


…旅に出よう。

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コメント1

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  1. ワカナさん(103歳)ID:6608359・10/01

    ヒカリさん♡
    3位!
    おめでとうございます(v^-^v)

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