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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/30 17:02:03

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あたしは部屋に入ると、スマホの電源を入れた。

そこには…家族から交代に電話がかかってて。

メールもたくさん入ってた。

…だけど、しーくんからの着信は一度だけ。

メールも…ない。


探してくれてたんだよ…って。

いい方に考えようとしても…

もう、頭をよぎるのは、しーくんにとってはあたしより朝子ちゃん…って事。

…疲れた。


ベッドに横になると同時に…スマホのバイブ。

手にすると…しーくんからだった。

「……」

しばらく悩んだけど…

「…もしもし。」

『咲華?』

「…うん。」

『華音さんから、咲華が部屋に戻ったって連絡もらったから…』

…華音、そんな事したんだ…


『お父さん…大丈夫だったか?』

「…嫌いって言っちゃった…」

『それはダメージが大き過ぎる。』

「その隙に部屋に戻ったの。」

『今日、咲華が『今更』って言ったのは…本心?』

「……」

ふいに…核心を突かれて。

あたしは…無言にならざるを得なかった。

ここで、イエスと答えてしまえば…しーくんを失うかもしれない。

今までの外面の良さみたいなのは、何だったんだ!!って事になっちゃうよね…

…だけど…

ずっと…望んで叶わなかった事。

恋人なのに…

婚約者なのに…

会いたいように会えないなんて。

ましてや…

…妹の朝子ちゃんの方にばかり…連絡してるなんて…

そのうえ、『俺にどうして欲しかった?』なんて…

そんなの…

そんなの、聞かなきゃ分かんないの?


長い沈黙が続いて、あたしは意を決して…

「…うん。」

小さくつぶやいた。

「もっと…会いたいっていつも思ってた。」

『…当然だよな。』

「だけど…仕事を頑張るしーくんが好きなのも本当だから…我儘は言えないって思ってた。」

『……』

「…でも…連絡ぐらいは…してくれてもいいのにって…」

『…そうだよな…』

電話の向こうから、深い深い溜息が聞こえた。

あたしは胸がギュッとなるのを我慢して。

「…言えなくてごめん…」

肩を落として言った。


もう疲れた。

もう限界。

もう無理。

…そう思うのに…

こうして声を聞くと、やっぱり…しーくんの事が好きだって思う。

こんなに気持ちまでがすれ違ってしまうのは、あたしが物分かりのいいフリをしてしまい過ぎたせいだ。

もっと早く…寂しい気持ちを素直に口にしてたら…

しーくんにも決断は出来たはず。

あたしに決めろなんて言わなくて済んだのに。


もう…今度こそダメだ。

重い女だと思われたに違いない。

そう思いかけた時…

『アメリカは…いつもの現場とは違うから、連絡する。必ず。』

しーくんが…優しい声で言った。

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