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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/30 13:02:10

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階段を上がり切って、大きく溜息をついた。

振り返ると…見慣れた街の灯り。

この場所は…しーくんに教えてもらった。


自分を二階堂の『影』だと言ったしーくん。

自分の在り方が分からないって悩んでたっけ…。

だけど彼は二階堂のために生きる事を誇りにしてて。

どの現場に出向く事も、断らない。

眼下に広がる街の灯りを見ながら、あたしはしーくんと出会ってから今までの事を思い出そうとした。

出会った頃は…浮かれっぱなしで。

それが捜査の一環としてでのエスコートだったとしても…嬉しかった。

優しくてカッコ良くて。

非の打ちどころのない彼氏。

しーくんに相応しい女になりたい。

そう…思った。


やがて、あたしには本気じゃないって知って…別れを突きつけた。

だけど、ここで。

ここで…真島君という偽名の二階堂の人の双子の弟さんから、しーくんの色んな事を聞いて…

あたし達は…お互いの気持ちがホンモノだ…って、確認し合えた。

そして、婚約。

後は、結婚するだけだ…って思ってたのに。

もう、あれから二年以上。

…婚約してからのあたし達には…

あまり、思い出がない。


「……」

…遅くなるとも言ってないし、母さん心配してるかな…

父さん、怒ってるかな…

今スマホの電源入れたら…どんな事になってるんだろ。

…しーくんは…

あたしに連絡がつかない事…

どう思って…

「咲華。」

名前を呼ばれて、驚いて振り返ると…

そこに、しーくんがいた。

「……」

「探した。」

「……」

「…帰ろう。」

しーくんがあたしの手を取ったけど…

あたしは足を動かさなかった。

「…みんな心配してるぞ?」

「……」

しーくんは、何を言っても無言のまま動かないあたしをゆっくり抱きしめて。

「…俺に会いたくなかった?」

小さく…つぶやいた。

「…婚姻届は?」

あたしは、しーくんの胸に顔を埋めたまま問いかけた。

「え?」

「婚姻届。今日書くんでしょ?」

「……」

しーくんは少し無言の後…あたしの頭の上に顎を載せて。

「こんな状態で書けないだろ…」

そう言った。

「…じゃあ…いつ?明日?明後日?」

「…悪い。明後日からアメリカなんだ。」

「……」

この人は…結局、あたしと結婚する気なんてない。

そう思った。

好きなら待てる…そう思ってたけど…

もしかしたら、好きじゃなかったのかな。

…もう…

「また…一ヶ月帰らないの?」

「向こうから連絡する。」

「出来ないクセに…言わないで。」

「する。」

しーくんの腕に力が入って。

あたしは…強く抱きしめられた。

「連絡するから…待ってて欲しい。」

待ってて欲しい…?

まだ?

…あたしは…どうしたいの?

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コメント1

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  1. マリアンさん(50歳)ID:6608065・09/30

    犬の訓練でもそんなに「待て」はしないのにねぇ。
    しー君もだけど泉ちゃんも何か欠けてるのかしら。

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