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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/29 17:58:31

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「遅くなってごめん。」

廊下から海の声がして、部屋の中の空気が少し張り詰めた。

隣にいる空が、ギュッと俺の手を握る。

…泉に筋金入りのブラコンだって笑ったが…

空も相当なもんだ。

泉が言ったから言わなかっただけで、実際は空も複雑なんだと思う。

知らない女に、海をとられるのは。


「おお、海。来たか。」

「久しぶり。」

膝に夕夏を乗せてご満悦な義祖父は、海の顔を見て安心しきったように笑った。

今日は、ここで全員が揃う事がメインだったはずなのに…

海の結婚宣言で、少し目的が変わった。

…海の嫁さんを、紹介してもらう。

それが…第一目的となった。


「さ、入って。」

海がそう言って、部屋に連れて入った女性は…

「……………えっ…?」

義祖父母と夕夏以外、俺を含めた五人はマヌケな声を上げた。

「俺の嫁さん。」

海がそう言って紹介してくれたのは…

「…咲華です。ご挨拶が遅れてすみません…」

桐生院家の…長女。


俺は…歳の離れた兄貴がSHE'S-HE'Sというバンドでドラマーをしていて。

そのバンドが家族ぐるみで付き合いをするおかげで、色んな家族と懇意にして来た。

だが、成長と共に会わなくなった面々もいる。

その中の一人が…

目の前にいる、桐生院咲華。

華音と双子で…俺の患者である華月の姉。

…だが…咲華ちゃんは…


「志麻と別れた途端兄貴とって、どういう事。」

みんなが思った事を、泉が一歩前に出て…きつい口調で言った。

「泉。」

空が止めたけど、泉は眉間にしわを寄せたまま。

「だって…志麻、すごく落ち込んでるんだよ?兄貴だって知ってるでしょ?なのにどうして?」

海と咲華ちゃんの顔を交互に見て言った。

「泉。そんな風に言ったら、海達も説明し辛いだろ。少し黙って話を聞こう。」

義父さんがそう言うと、泉は険しい顔のまま…何かつぶやきながら義母さんの隣に並んだ。

「…俺達…」

「……」

全員が固唾を飲んで見守る中…

「酔っ払って結婚した。」

「!?!?!?!?!?!?!?!?」

海の言葉に、意外にも義父さんが倒れそうになり、義母さんは両手で口を押えて。

空は目と口を開けたままで、泉は眉間のしわをより深くした。


「海。この事を」

義母さんが何かを言いかけたが。

「言いたい事は色々あるかもしれないけど、最後まで聞いて欲しい。」

海が…堂々と言った。

「…海。」

その時、義父さんが低い声で。

「最後まで…話しを聞こう。だが、咲華さんには席を外してもらいたい。」

額に手を当てて言った。

「…なぜ。」

「咲華さんに聞かせたくない話も出て来るかもしれないからだ。」

「……」

海が咲華ちゃんの顔を見ると、咲華ちゃんは少し唇を噛んで…小さく頷いた。

「…後で迎えに行く。」

「…うん。待ってる。」

二人は小さくそう言って…一瞬だが、指を絡ませて。

その仕草に、泉がいちいち眉間をひくひくと動かした。

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コメント2

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  1. ソフィーさん(72歳)ID:6607678・09/29

    泉ちゃん、怖い💦

  2. マコトさん(99歳)ID:6607674・09/29

    頑張れ海くん!!!

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