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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/29 15:49:36

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「おっはよー。」

「えっ。」

本部の自室に入ると。

「何、その困り顔。」

「…困り顔なんてしてないぞ?」

泉が…いた。

その後ろで、目を細めている富樫が口を動かした。

『頭と姐さんもいらしてます』

…何事だ?


「いつ来たんだ?」

腕を組んで来た泉を見下ろしながら言うと。

「さっき…兄ちゃん、何かつけてる?」

泉は俺に近付いて匂いを嗅いだ。

「何もつけてない。」

「なんか…夕夏みたいな匂いがする。」

「……」

視線だけを富樫に向けると、これまた富樫は目を細めて苦笑いをした。

泉は…耳より鼻がいい。

今朝、離乳食は食べさせたが…ミルク役は沙都が買って出た。

子供特有の匂いでもするのだろうか。


「ところで、三人揃って連絡もせずに来るなんて、何かあったのか?」

親父はいつも突然来るが、泉が来る時は事前に連絡が入る。

泉は意外と人気者だ。

どこの現場でも欲しいと言われる。

あ、女としてではなく、戦力として。


「ところが三人じゃないんだなー。姉ちゃんも来てる。」

「え?空も?」

ますます何事かと目を細めると。

「じいちゃんから会いたいってラブコールがあったんだって。今なら比較的暇だし、家族が揃って会いに行けるんじゃないって事で来た。」

全く…

なぜそういう事を、こっちにいる俺に先に言わないかな。

突然来られても大して驚かないのを知っていながら、親父達は俺を驚かそうとしてるのか…いつも突然やって来ては。

『驚いたか』

と、笑いながら言う。

もう何年も、毎月やられると…さすがに驚かないって。


ふと気が付くと、富樫が瞬きを多くしながら俺を見ている。

少し首を傾げると、富樫はさりげなく自分の左手の薬指を右手で指差した。

…あ。

したままだ。


「久しぶりね、海。」

そこへ、母さんもやって来た。

「驚いたか。」

…親父も。

「ああ。驚いたね。揃ってやって来るなんて。」

そう言った俺に、『な?』なんて言いながら母さんと笑い合う親父。

そこで…急に言う気になった。

「親父、母さん。」

「ん?」

「なあに?」

「…泉。」

「え?」

富樫が目を見開いて、背筋を伸ばす。

その姿がなぜか滑稽に思えて…緊張が飛んだ。

「俺…結婚した。」

左手の薬指をヒラヒラと見せながらそう言うと。

「……」

「……」

「……」

三人は口を開けて俺を見た。

するとそこに…

「おはよ。」

ドアを開けて入って来た空と。

「お久しぶりです。よ、海。久しぶり。」

続いて入って来た、夕夏を抱えたわっちゃん。

「あっああ…あっ…」

泉が狼狽えて二人に駆け寄って。

「どしたの、泉。」

空に笑われてる。

「にっににににに…」

「に?」

「兄ちゃんがっ!!」

「…何。兄貴なら、そこにいるけど。」

親父と母さんは、相変わらず俺を見てポカンとしたまま。

「わっちゃん、空。俺…結婚したんだ。」

二人にもそう告白すると。

「………えっ!?」

二人は同時に声を上げた後。

「…誰と!?」

今度は…全員が声を揃えて言った。


……息ピッタリだな。

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コメント1

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  1. マコトさん(29歳)ID:6607632・09/29

    いっぱい更新ありがとうございますー!
    毎時ニヤニヤです笑

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