ブログランキング20

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 3360
  • 読者 724
  • 昨日のアクセス数 10387

テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/29 13:30:22

  • 89
  • 1

「すごく幸せそうだね…海君もサクちゃんも…」

僕がそう言うと、曽根さんは少しだけ唇を尖らせて。

「まあ…腑に落ちない部分もあるけど…」

ちびちびと酒を口にして。

「でもま…確かに…ニカのあんな幸せそうな顔、初めてだもんな。」

笑顔になった。

ちょっとした宴の後、海君はリズちゃんを寝かし付けるって二階に上がって。

もう…すっかりパパだ!!って、盛り上がった。

サクちゃんも簡単に片付けを済ませると。

「ゆっくり飲んで。おつまみが足りなかったら、冷蔵庫にあるから。」

そう言って、お酒をたくさんテーブルに置いて二階に上がった。


サクちゃんの作った和食は、何だか懐かしい感じがした。

ノン君と、さくらばあちゃんの味だ。


「私は…ボスが色々苦悩されているお姿をずっと見て来ましたので…今のボスの幸せが嬉しくてたまりません。」

海君の部下である富樫さんが、そう言ってグラスを掲げた。

宴の時も、終始海君の幸せそうな顔に涙ぐんでた。

…うん。

海君…色々あったもんね。

紅美ちゃんとも朝子ちゃんともダメになって…


海君が、愛しそうな目でサクちゃんとリズちゃんを見てる姿…

ちょっと羨ましかった。

僕も…紅美ちゃんと別れて、もう…恋はいいやって。

そう思いながらも…

たまに、寂しいなって思う。

今は歌う事に必死だし、今でも…紅美ちゃんを好きだから…

他の人には目も気持ちも向かないけど。

海君は…出会えたんだよね。

それが、まさかのサクちゃんってのがすごいけどさ。


「ニカはガシに苦悩を告白してたのか?」

曽根さんのこういう所、すごいな…って思うんだけど。

富樫さんって、曽根さんより年上だよね。

しかも、ガシって…

まあ、海君の事も…ニカだもんなあ。

「いえ、プライベートな事は私が勝手に推測しておりました。仕事の面での苦悩は…私共の想像を絶する極地に立たされる事がたびたび…」

「そっか…海君、二階堂のトップだもんね。僕らには言わないけど、抱えてる事の規模が違うよね。」

「それでも…仕事に対しての愚痴や不満は一言も漏らされません。」

「あー…俺、グレイスに叱られたぐらいで辞めたくなるの、反省する…」


昔、みんなで温泉に行ってた頃の海君は引率の先生みたいで。

ちょうど桜花の高等部に体育教師として潜入してた時期だったから、本当に先生みたいで。

だから自然と『しっかり者』とかってイメージしかなくて。

だけど、こうして一緒に暮らすようになって…海君が育って来た環境を垣間見ることが出来たと言うか…

『だらしなくする事が出来ない。』

それは、海君には当たり前なんだろうけど…

息が詰まる瞬間って、絶対あるはずだよ…って心配だった。


それでも、ノン君とのバトルや曽根さんの天然さに揉まれたからか…

海君、以前よりずっとオンとオフの使い分けが出来るようになったし、笑顔も増えた。

ただ…みんなと居るのに孤独を感じさせる所は…どこかあったような気がする。


「咲華さんとご結婚されてからのボスは、本当に…今まで見た事のないような幸せなお顔でスマホを見られて。」

「えー…連絡取り合ってニヤニヤしてるニカって、ちょっと想像つかないなあ…」

「曽根さん、海君の幸せをいちいちそうやって不満そうに言わないの。」

「不満なんかないさ。ないけど…よりによってって感じじゃんか。もしキリと紅美ちゃんが結婚したら、ニカは紅美ちゃんとも家族になっちゃうわけだしさ。」

曽根さんがそう言った瞬間、僕と富樫さんは顔を見合わせた。

「本当だ…サクちゃん、知ってるのかな…海君と…」

「どうでしょう…しかし、ボスと紅美さんがお付き合いされていたのは昔の事ですし。今は、幸せなのですから構わないのでは?」

富樫さんの堂々とした言葉に、何だか…すごくスッキリした。

「うん…そうだよね。」

「私は、志麻に対しても後ろめたさは不要ですとボスに伝えました。」

「え~…ガシ、意外と冷たいなあ…」

曽根さんは唇を尖らせて言ったけど。

「二年以上、結婚を目の前にちらつかせていただけの男に同情できますか?」

す…

すごい…富樫さん。

「確かに…志麻には辛い現実かもしれません。ですが私は…志麻のせいで二年以上もの時間を待つだけで過ごされた咲華さんのご結婚を、心から祝福しております。」

パチパチパチパチ。

僕、つい立ち上がって拍手してしまった!!

確かに…しーくんには辛い現実かもって思う。

だけど…そうだよ!!

僕だって…紅美ちゃんの事、忙しさにかまけて蔑ろにして…

その結果、すごく不安にさせたり…二人の間に溝を作ってしまった。

サクちゃん、頑張ったんだよ。

二年以上もさ。

幸せになったって、誰も文句言わないよ!!


「富樫さん、僕の思ってる事、まんま言ってくれた。ありがとう。」

「い…いえ。ですが…これから多方面に挨拶される事で、色々困難も生じるかと思いますが…私は全力でサポートしたいと思っております。」

じーん。

もう…僕の中で富樫さんの好感度がぐーんとアップ!!

今まで、海君の部下の人。

いい人。

ぐらいにしか思ってなかったけど…

なんて男気に溢れるカッコいい人なんだろう!!


「僕も賛同します!!富樫さん、一緒に応援しましょう!!」

「ありがとうございます。心強いです。」

僕と富樫さんがガシッと握手をしながらそう言ってるそばで。

「もー…俺だって、幸せは願ってるのにー。」

唇を尖らせた曽根さんが。

「早くキリの反応見たいぜ…」

テーブルに突っ伏して、本音を漏らした。

同じテーマの記事

コメント1

しおりをはさむ

  1. セリナさん(45歳)ID:6607670・09/29

    富樫さん いい男!

    それに比べ、曽根・・・
    泉並にウザい。

関連するブログ記事

  1. 「じゃ、そろそろ…サクちゃん、あっちに。」僕がそう言うと...

  2. 47th 73

    10/01

    「おかえり。」「あれっ…海君、まだ起きてたの?」僕が...

  1. 47th 9

    09/29

    「ごめんね?留守の間に色々…物が増えちゃって…」サクちゃ...

  2. 45th 20

    09/26

    『今から帰ります。何か必要な物はありますか?』海さんから...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

12/11 編集部Pick up!!

  1. 子連れに謝罪され感じたこと
  2. 不倫相手と関係切れていなかった
  3. 子持ちが羨ましくて退職を決意

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3