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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/29 11:01:43

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「あー、ただいまー。打ち合わせ早く終わって良かったー。」

何か月ぶりかの我が(もとい、ニカの)家‼︎

一緒に帰りたかった沙都君が先に帰って、まあ…仕方ないよな、俺はマネージャーだから。

って、自分で自分を慰めながら…

やっと家に帰り着いて。

沙都君、俺のためにビールなんて出してくれないかなー。

って、玄関のドアを開けると…

「……」

「あ、曽根さん、おかえりー。」

いつもの…

数時間前に別れた笑顔の沙都君と…

「…おかえりなさいー…」

小声で、バツの悪そうな顔でそう言ったのは…

「…サクちゃん?」

いや、俺、そう呼んだ事ないけど…

俺の親友、キリの双子の妹…桐生院咲華が…

なぜか、沙都君とお茶飲んでる。

で…

なぜか…

沙都君の膝に…

「あー。」

「……何かな?その…可愛い赤ちゃん…」

近付いて見てみると…

「可愛いでしょ。僕の子供。」

「!!!!!!!!!!!!」

俺は目を見開いた!!

そっそそ…そう言われると…

つぶらな瞳は…似てる!!気がする!!

「いっいいいっいっいつの間に!?て言うか、相手誰だ!?こんなのスクープされたら…!!」

グレイスに叱られる~!!

色んな事が頭の中を駆け巡って、俺は膝から崩れ落ちた。

沙都君!!

頼むから、そういうのは全部俺に話しておいてくれよ~!!!!

ついには仰向けになって、絶望的な展開を妄想し始める。

今クビになるとしたら…俺が責任を取って…

沙都君の子供を、俺の子供として育てるためには…


「あはは。倒れちゃった。おじさん、面白いねーリズちゃん。」

「ひゃははっ。」

「あ~可愛いなあ。廉斗のお嫁さんにどう?」

「あたし達が決めたって。」

「それもそっか。朝霧家は周りが使いまくった許嫁制度に参加してないしね。」

「曽根君、沙都ちゃんの子供だなんて嘘だから。」

二人の会話を聞いてると、サクちゃんがそう言って俺の顔を覗き込んだ。

「…う…嘘?」

「嘘よ。座って。紅茶でいい?」

「う…うん…」


正直…

キリの事を週刊誌にリークして以来…

キリの家族とは、顔を合わせ辛い。

…当たり前だけどさ。

でも、キリの大好きなおばあちゃん、さくらさんはすごくいい人で。

俺をここに呼んでくれた張本人。

芋づる式に、沙都君ともニカとも仲良くなれて。

ついには…キリに懇願されて、ソロデビューした沙都君のマネージャーにもなった。

…でも。

サクちゃんは…今も俺を良くは思ってないと思う。

いつもは柔らかい雰囲気の子だけど…

さっき、目が合った瞬間は…

機嫌が悪い時のキリそっくりだった。


「で…この子は…?」

沙都君の膝で、めちゃくちゃ可愛い声を出して笑ってる女の子。

うちは、二人の兄貴もまだ結婚してないし…

俺が仕切ってた二号店も、近所も店ばっかだから赤ちゃんとか子供にあんま免疫ないんだよな~。

本店には子連れの常連とかいたけど、俺って…

もしかしたら、ちょっと子供苦手なのかも…

でも…

「あー。」

「曽根さん、抱っこしてみる?」

沙都君がそう言って、女の子を俺に渡そうとする。

「いやっ…怖い。小さすぎる。」

「大丈夫だよ。膝に乗せるだけだし。」

「いやいやいやいやいや…ほんと…てか、誰の子なんだよ。」

沙都君からのプリーズを拒否して、サクちゃんと沙都君を交互に見て言うと。

「…あたしと海さん、結婚…しまして…」

「………はっ?」

「その子は…リズって言います。宜しく。」

「………」

俺は口を開けて、サクちゃんと沙都君とリズちゃんとやらを忙しく見て。

「サクちゃんて…確か…」

あの男前!!

あの男前は!?

フィアンセって言ってたよな!?

「…縁がなくて。」

目の前にアイスティーが出された。

ビールが良かったけど、これはこれで美味そうだ。

俺はグラスを手にすると、グビグビとアイスティーを喉に流し込んだ。

残った氷がグラスでカランといい音をたてて。

急いで飲んだせいで少し口からこぼれたアイスティーを腕で拭うと、それを見た『リズちゃん』が大笑いをした。

…よく笑う赤子だ!!

「いや…まあ、めでたい事だけど…その…」

俺が言葉を探してると。

「まだ僕達しか知らないみたいだから、ノン君には内緒だよ?」

沙都君がニコニコして言った。

「はっ!?結婚した事、家族に内緒にしてんの!?」

「あー…ちょっと、タイミングが…」

「タイミングって…」

「ちょっと、ほんとに…色々。」

「……」

キリは…真面目なんだか不良なんだか…って、掴みどころないイメージあったけど。

そこがカッコ良くて。

だけどサクちゃんは、おとなしくて柔らかくて、真面目なイメージしかなかった。

なのに、家族に黙って結婚。

しかも…相手は…

「…その…ニカって、元婚約者の上司だよね…?」

男前とは、一緒にDANGERのライヴ観に行った事もあるし、ちょっと仲間意識勝手に持っちゃってたから…

感情移入しちゃうじゃんかよ!!

サクちゃんもニカも、酷くないか!?


「…だから、色々あったの。」

「色々あったとしても、さあ…」

「もう…うるさいっ。曽根。」

「なっ…」

サクちゃんは立ち上がって。

「親友をゴシップ記事に売るような奴に言われたくない。」

そう言うと、キッチンに立った。

「……」

い…今…

サクちゃんが悪魔に見えた。

いや…俺が悪いんだけど…そうだけど…

「曽根さんの負け。もう詮索しないの。」

沙都君がクスクス笑う。

腑に落ちなくないのか!?

「今夜はパーティーだね。サクちゃん、僕何か作ろうか?」

沙都君はそう言って、サクちゃんとキッチンに並んだ。

「沙都ちゃんが料理してたの?」

「僕がしたり海君がしたり。」

「今夜何食べたい?和食で良ければ作るけど。」

「わー。めっちゃ食べたい。ツアー中、恋しかったんだー。」


キッチンで盛り上がってる二人を恨めしそうに眺めて。

俺は…とりあえず…

ニカが帰るのを待つ事にした。

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