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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/29 10:19:23

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「ごめんね?留守の間に色々…物が増えちゃって…」

サクちゃんがそう言って、片手で赤ちゃんを抱っこしたまま…

手際良くカップを出したり、クッキーの缶を出したり…

「……」

ギターを置いて、リビングをぐるりと見渡す。

…ベビーベッド…

タオル生地の小さな人形…

ノン君がいた頃は普通にあったけど、僕らだけになってからはなかった花瓶の花…

キッチンには、ミルクの缶とか哺乳瓶も。

僕は廉斗で見慣れてるけど、ここにこういう物があるのは…

やっぱ違和感だなあ。

だって、結婚と出産って事に無縁の男三人だったんだもん。

一番それに近かった海君は…何だか残念な結果続きだったし…


ふと、暖炉…とは名ばかりで、そこはテレビをすっぽり収めてるんだけど…

その上の写真が目に入った。

…ノン君と紅美ちゃんのツーショット!!

「……」

ゆっくりサクちゃんを振り返ると。

僕がその写真に釘付けだったのを見てたみたいで…

「あれ…あたしが撮ったやつなの。華音、わざわざ送ってたみたい。」

首をすくめた。

…サクちゃん…知ってるのかな…

海君と紅美ちゃんの事…


「はい、沙都ちゃん。座って?」

僕がごちゃごちゃ考えてる間に、サクちゃんはお茶の用意をしてくれてて。

「お砂糖いる?ミルクは?」

って、目の前に色々並べてくれた。

「あ…うん…ありがと…」

久しぶりに…帰って来たけど…

何だか、緊張…しちゃうよ。

よその家に来てるみたいだ…


「…何で?って…思ってるよね?」

サクちゃんは、赤ちゃんにオレンジ色の柔らかそうな物を食べさせながら僕に言った。

「う…うー…うん…」

「……」

「……」

「…ザックリ言うとね?」

「ザ…ザックリ?」

「うん。ザックリ言うと…待ち疲れて…婚約破棄したあたしが、傷心旅行でこっちに来て海さんと出会って…結婚して…この子を引き取った…って感じ。」

サクちゃんの言った、ザックリなそれは…

すごく…

普通に納得な感じではあった。かも。

でも…

「サクちゃんが待ち疲れたの?」

「…うん。」

「…サクちゃんが待ち疲れて…って、意外かも。」

お茶を口にしながら言う。

だってさ…サクちゃん、すごく…しーくんの事、好きそうだったし。

ノン君も言ってたもん。

ほったらかされてるのに、すごく一途だ…って。

「…婚約して二年以上結婚しないって、縁がないとしか思えないでしょ?」

そう言ったサクちゃんは苦笑い。

確かに…それ、辛いよね…

「でも、こっちに来たのって…僕らがツアーに出てからでしょ?出会ってすぐ結婚決めたって事?」

「そ…そうなの…」

「ふうん…ノン君、ビックリしだたろうね。」

「…まだ…言ってないの…」

「…え?」

「まだ…お互いの家族にも…誰にも言ってないの…」


ツアーから帰って来た僕は…

口を開けて瞬きをする。

その繰り返しだった。

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コメント1

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  1. マコトさん(99歳)ID:6607544・09/29

    ノン君びっくりするわー

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