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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/28 23:25:12

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「…あ…あたしは、特にドラマチックな事もなくって…本当にシンプルに…気持ちが持続出来なかっただけなの。」

志麻と別れた理由を知りたいと言うと、咲華は待ち疲れたとか会えなかったからだとか…

あきらかに、嘘をついた。

気付いてないだろうが…

咲華は嘘をつく時、声のトーンが上がる。

「すー…」

あえて寝たふりをした。

明るく振り向いてくれたのはいいが…嘘をついてまで話したくない別れの理由。

知らなくてもいいが…気になる。

だが、咲華に辛い事を話させるのは嫌だ。

…受け止めたい。

全てを受け止めたい。


だが…

昨夜は、あんな流れで一線を越えてしまったが、咲華は俺を愛してはいない。

思えば、まだ一度も好きとも言われてないな。

好意はあるとしても。


少しして、咲華がそばで横になった。

そして…

「…本当に…ごめんなさい…」

小さくつぶやいた。

咲華は…いい声をしている。

リズがもう少し大きくなったら…絵本の読み聞かせをしてもらおう。

俺の方がリズより先に眠ってしまいそうだが。


「…もう、お酒飲まない…」

飲酒についての謝罪か?

つい、笑いそうになった。

まあ…確かに、リズが泣いてる事にも気付かない、俺が起こしても起きない爆睡ぶり。

リズに何もなかったからいいものを…とは思うが、慣れない生活で疲れてたはずだ。

責める気にもならないし、むしろ…気遣えなかった自分に腹が立つ。


お互い…もっと自分の事を話せるようになれるといいのだが…

咲華は華音よりガードが固い気がする。


…愛してる。

この言葉を再び口にする日が来るとは思わなかった。

そして…

それを言えた自分を好きになった気がする。

つい昨日まで、ごちゃごちゃと考えていたクセに…

何だろうな。


「…海さん、起きてるんでしょ…」

ん?

どうして分かった?

と思いながらも、返事をしなかった。

「…本当に寝ちゃってる…?」

声がさらに近くなった。

…カマかけたな?

「……」

咲華はごそごそと俺の胸に近付いて寝位置を決めると。

「…リズちゃんとあたしの事…大事にしてくれて、ありがとう…」

本当に…心地いい声で、そうつぶやいた。

…ああ…

…幸せだ。




本当に。

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