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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/28 20:13:58

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翌日から、志麻と一緒にドイツに発った。

仕事よ。

仕事だよ。

あたしは…切り替えた。


薫平の…あの丘の上の家。

空家とは書いてなかったけど…

あきらかに、生活の匂いは消えてた。

デッキに回って家の中をのぞいても…

何もなくなってた。


あたしが…おはじきが配達してくれた手紙を読んで、すぐ行ってたら…違ってたの?

だけど、携帯があるんだから…

直接連絡してくれたって良かったのに。

…あたしからも、すればいいんだろうけど…

それは、勇気がない。

今更何。って言われるのが…怖い。


「はっ…」

突然、腕を掴まれて我に返る。

「何してるんですか。」

今日は珍しく…瞬平も現場。

瞬平に厳しい声で言われて…目が覚めた。

ダメダメ!!

今は仕事に集中!!


瞬平を見ると辛くなるかな…って思ったけど、双子でそっくりなのに、もう違う顔にしか見えなかった。

瞬平は小型犬で、薫平は猫だ。


いつもは一日が早く感じるドイツの現場も…

今回は、なぜか長く感じられた。

それは…

いつもと様子が違ってたからかもしれない。

…志麻が…


「どうした?おまえらしくないな。」

ドイツに来て二週間が過ぎた頃。

父さんが現場の応援に来た。

と言うのも…

志麻が…ミスをしたから。


「…すみません。」

「何かあったのか?」

「いえ…もっと集中します。」

普通の人なら…しても仕方ないようなミスなんだけど…

志麻だから、あり得ないミスだった。

それには、あたしも瞬平も…父さんも驚いた。

今回は、こっちに来た時からすでに…志麻の様子がおかしかった。

ソワソワしてたり…

やたらと早く部屋に戻りたがったり…

スマホを気にしてる事も多かった。

朝子に何かあったのかな?って、瞬平と話した時点で…

あたし達の中で、志麻=朝子みたいな図式。


「別れたらしい。」

「……」

「……」

それは、父さんと瞬平と、三人でご飯を食べに行った時の事だった。

父さんがそう言って、あたしと瞬平は少しだけ口を開けて…顔を見合わせた。

その時の瞬平の顔が…

他の女の子と寝るのはダメなの?って言ってる薫平の顔と重なって。

少し、頭を振った。


「…何で?」

手にしたスプーンを置いて問いかけると。

「待たせ過ぎた、と。」

「……」

そんなの…

解ってたんじゃないの!?

どうして早く何とかしなかったんだよー!!志麻!!

「…それでミスするなんて、志麻らしくないですね。」

瞬平は淡々とスープを飲みながら言ったけど、声に元気はなかった。

「…なんか、胸痛い…」

溜息をつくと、胸の痛みが増した気がした。

兄貴が紅美と別れて…朝子ともダメになって…

あたしも…聖とはダメで…

薫平とも…あんな事になったし…

まさか、志麻まで。

二階堂を出た朝子だけが、結婚してハッピーになってる。

…やっぱ、二階堂って…!!


「命懸けて頑張る仕事に誇りは持てるけど…二階堂って恋愛下手しか育ってない気がする。」

独り言みたいにつぶやいたのに、耳のいい二人はしっかりそれを聞きとめてて。

「……」

瞬平は無言でスプーンを置いて。

「…泉。志麻の前では言うなよ。」

父さんも、なぜか…胸の痛そうな顔をして、そう言った。

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