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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/28 06:50:51

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確かに…

薫平がやろうとしてる事は、二階堂に対して少し…て言うか…

まるで嫌味。って感じだよね。

今でこそ、二階堂の者同士が結婚して子供が産まれて…その子供達が二階堂で働くって図式が出来てるけど。

父さんも、薫平のお父さんも志麻のお父さんも。

みんな孤児だった。

みんな孤児で…小さな頃から二階堂の厳しい訓練を受けて来た。

そうするのが当たり前…みたいな教育を受けて来た。


「……」

あたしは自分のベッドに寝転がって、薫平と指切りした小指を眺めた。

王国を作るための資金って、どうやって作ってるんだろ。

まさか…悪い事なんてしてないよね…?

銃の密売とか…

薬の闇ルートの手引きとか…


薫平は瞬平より出来が良かったから…

もしかして、兵器を作ったりしてないかな…

…いくら二階堂を辞めたからって…そんな事、して欲しくない。


内緒とは言われたけど、誰かに話したくて仕方なかった。

薫平が元気でいた事。

おはじきって可愛い猫と二人暮らししてる事。

何だか別世界にいるみたいな気分になった、居心地のいい家の事。

初めて間近で見た…ビーズ細工の事。

…あたしの事、『泉』って呼び捨てた事…。


「いや、駄目駄目。」

内緒って約束したんだから。

なしだよ。

誰にも言わない。

言えない。

だって薫平…

二階堂を辞めてからは、家族の誰とも連絡取ってないって言ってた。

「みんなの顔に泥塗ったからな…今更合わせる顔なんてないよ。」

そう言った薫平は…少し寂しそうにも思えた。

…瞬平だって…絶対寂しいんだよ。

瞬平って、薫平の事大好きだったもんな…

だから余計、薫平が辞めるって言った事…理解し合えなかった事…

今も堪えてるんだと思う。

…怒ってたもんな…

何で辞めるんだ。って。

何で出て行くんだ。って。


「泉ー。ちょっとー。」

下から母さんの声が聞こえて。

あたしはガバッと飛び起きると、けたたましく階段を駆け下りた。

「何っ!?」

キッチンにいる母さんに駆け寄ると。

「もう…家の中を走らないで?」

母さんは苦笑い。

「だって、急用かなって。」

「散歩から帰って、ずっと部屋にいたの?」

「…うん。」

ああ…今少し引き攣った。

意識し過ぎだよ!!あたし!!

「明日から、志麻と浩也さんがドイツに行くんだけど、泉どうする?」

「え?どうするとは?」

「暇で仕方ないなら、ついて行く?」

「……」

そうだなー…

「うん。行く。」

ドイツなら瞬平もいるし…

…いや、待て。

あたし、隠せる?

薫平の事…

「え…えっと…やっぱやめとこうかな…」

「あら、なんで?」

「うー…うーん…兄ちゃん帰って来るんでしょ?」

「海が帰るのはまだ二週間以上先よ?」

しまった。

断る理由がない…!!

暇そうにしてるのバレバレだし!!


あたしは暇なんだけど…志麻は常に各国の仕事の情報を仕入れてるせいか、いつも忙しそうだ。

なんであんなに仕事が好きかな。

て言うか、咲華さんと早くどうにかくっつけっつーの。


「…じゃあ、行く。」

仕事だもん。

薫平の話題なんて出ないよ。

うん。

「あ、それと…今暇?」

「え?うん。」

「これ、空の所に持って行ってくれる?」

母さんはそう言って、紙袋を差し出した。

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