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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/27 22:50:18

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「…ここに住んでんの?」

「うん。」

「一人で?」

「おはじきと。」

「あ…そう。」

辿り着いたのは、公園から北に随分歩いた住宅街を抜けた場所で。

薫平の家は一軒だけ、丘の上にポツンとある木造の古そうな平屋建ての家だった。

「どうぞー。」

「…お邪魔しまーす…」

玄関入って、狭い廊下を真っ直ぐ行くと、小さなダイニングキッチン。

…廊下の途中に部屋があるって感じ。

右側には、50cmぐらいの段差を下りてソファーとか…テレビ。

たぶん、この廊下をさらに奥に行った所に、トイレとかお風呂とか…

て事は、本当に小さな家。

「わー…」

小さなダイニングキッチンを通り過ぎた掃出しから外は、ウッドデッキになってて。

「ここ、薫平が建てたの?」

振り返って聞くと。

「いや、高齢の女性が買い手を探してて。土地ごと買い取った。」

薫平はお茶を入れながら少し大きな声で答えた。

「へー…」

デッキから庭を眺めると、裸足で歩いても大丈夫そうな芝生と、その先には花壇…て言うか…

畑だな。

野菜とか花とか…まとまりはないけど、楽しい感じでそこに居る。


職業柄なんだろうけど…つい、家の中をキョロキョロウロウロと探ってしまった。

廊下の突き当たりにもう一部屋。

「あそこは寝室?」

あたしが指差すと。

「作業場。はい。」

薫平は、紅茶を飲みながらあたしにもカップを差し出した。

「あ、ありがと…作業場?」

「来て。」

薫平について突き当りの部屋に行くと…

「…これ、薫平が作ってんの?」

「うん。」

「………」

あたしは、しばらく口を開けて見入ってしまった。

そこに並んでたのは…

「これって…」

「ビーズ。」

「ビーズ…」

物は知ってるよ。

知ってるけど…

あたしは直接手にした事はない。と思う。

作業場には、色とりどりのビーズが入ったケースとか…

ピンセットだのペンチだの釣り糸だのボンドだの…

それより何より…

「…これもビーズなの?」

「そ。」

出来上がった物が一つ一つケースに入ってて。

あたしはそれに見惚れた。

だって…

宝石みたい!!

花の形のイヤリングとか、ネックレスにブレスレットに…指輪もある。

極めつけは…

「このティアラも?薫平が?」

まるで真珠とダイヤ!!

あたしがそれを手にしようとすると。

「気を付けて。それ、すっげ高価だから。」

薫平は紅茶を飲みながらクスクス笑った。

「……」

ゴクン。

薫平に…こんな事が出来るとは…

「これがしたかったから、二階堂辞めたの?」

紅茶を一口飲んで言うと。

「興味を持った事は全部やってみようかなって。」

薫平は首をすくめた。

「…て事は、他にもしてるの?」

「してるよ。」

「何を?」

薫平はカップを置くと、部屋の隅にあるカーテンをザッと開けた。

そこは本棚で…

「これとか。」

「…写真集?」

しかも…

『おはじき』の写真集!?

「って…これ…」

「俺が撮ったやつ。」

「……」

「他にも、庭に出来た物の写真とかさ。結構売れてる。世の中癒しを求めてる人間が多いんだな。」

カメラマンの名前は…バレたくないからなのか。

高津薫平とは書いてない。

「あとは、ホームページ作ったり、愛猫家の喜ぶグッズ作ったり…」

「…で?最終的には何をするつもりなの?」

薫平は足元に来たおはじきを抱えると。

「王国を作るんだよ。」

小さい頃に見た事があるような笑顔になった。

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