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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/27 22:16:57

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猫の名前は『おはじき』と言った。

まあ…タマとかミケって顔ではないけど…

おはじき…

背中にある幾つもの丸い模様がおはじきみたいで…って。

あたしの隣で笑ったのは…


二年振りに会う薫平(くんぺい)だった。


「今何してんの?」

売店で買ったジュースを飲みながら問いかけると。

「俺?まあ…好きな事ばっかしてるよ。」

薫平は…二階堂を辞めたからか、あたしには敬語じゃない。

でも、うちを出るまでは普通に『お嬢さん』って呼ばれて敬語だったから…

何だか新鮮。

あたしとタメ口で話すのって…外の人しかいないし。

…薫平も外の人…か。


「仕事は?」

「収入を得る手段を仕事とするなら、色々作って売ったりしてる。」

『おはじき』は薫平の膝でお昼寝。

残念ながら…飼い主には敵わない。

「作って売るって…盗聴器とか発信機とか?」

あたしが真顔で言うと。

「ぶっ…あはは、もろに二階堂の考えだな。」

薫平は大げさに噴いて笑った。

「なっ…しっ仕方ないじゃん。あたし、二階堂だし。」

ぷう、と頬を膨らませて言うと。

「ま、そっか。たぶん、泉から見たらえーって言うような物だよ。」

「……」

「ん?」

「…ううん。」

…泉…って。

薫平に呼び捨てされるのって、初めてかも。

小さな頃は、みんな『泉ちゃん』って呼んでたし…

10歳を過ぎると、あたしはみんなにとって『泉お嬢さん』になったから…

あれ以降は名前だけで呼ばれた事もない。

「…あたしが、えーって言うような物って?」

「見たい?」

「え?」

「俺が作った物。」

「……」

な…なんて言うか…

薫平って、こんなグイグイ来るような性格だったっけ…?

まあ…二階堂にいると、みんなあたし達本家には素の自分なんて見せないから…

子供の頃の性格は分かっても、大人になってからのなんて…

…分かんないよね。


「今日、休み?」

立ち上がった薫平に続いて歩く。

「うん…て言うか、ここ最近ずっと暇。」

「平和って事じゃん。」

「まあね。」

おはじきは、薫平の肩に乗ったり…腕に降りたり…

薫平の事、大好きなんだなあ。


「…ここ、通っていいの?」

薫平について歩いてる道は…

あきらかに人の家の庭とか、住宅の隙間とか…

「大丈夫だよ。この時間は誰もいないから。」

「いないからって…」

「おはじきに教えてもらった近道なんだ。」

「……」

猫に近道教えてもらうとか…ないから!!

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