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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/27 17:08:48

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「お久しぶりです。」

あたしが富樫に連れられてその店に入った時、すでに志麻はそこにいた。

「大活躍して来たらしいね?」

「普通の事です。」

あたしが店に入った事で、少しだけ遠慮して席を移った輩もいたけど…ま、いっか。

「どうぞ。」

「あ…ありがと。」

富樫が椅子を引いてくれて、そこに座る。

気が付いたら、志麻と富樫に挟まれてて…あまりこういう飲み方ってする事ないから変な感じがした。

だいたいあたしが飲む相手って言ったら…

華月とか。

…今までなら、聖…だったかな。


三人並んで乾杯した。

飲みながら仕事の話はしたくないんだけど、やっぱこういう面子で集まると…自然と仕事の話になる。

「瞬平が作った新しい装置、現場デビューしたんだって?」

「はい。大活躍でしたよ。」

「さっき本部でも噂になってました。今度こちらの現場でも使ってみたらどうでしょう?」

「そうだねー…父さんに話通して、兄貴が許可したら、だね。」

みんなそれぞれ頑張ってる。

だけど、頑張っても上手くいかない事はある。


…兄貴の現場で一般人が死んだ。

誰のせいでもないんだけど…兄貴は自分のせいだ…って。

むしろ、犠牲者が一人だったのが不思議なぐらいなんだけど…

あたしらの仕事は、それを出さない事。

だから…

責任感の強い兄貴には、かなりのダメージだった。

そのせいか、あれ以来兄貴はすごく暗くて。

一時期は声もかけられないぐらいだったんだけどー…

去年の秋、兄貴に転機が訪れた。

救いの神みたいなもんなのかな。

あたしも詳しくは知らないんだけど…

精神衛生上良くない小汚いアパートから、何だか雰囲気のいい一軒家に引っ越してた。

おまけに…人生初?

友達も出来たらしい。

どれも姉ちゃんからの又聞きなあたしは、その辺の話、詳しく聞きたいと思って…の、今夜だったのに。


「で、志麻はいつ結婚すんの。」

コロナからウォッカの三杯目になった頃、その話を切り出してみた。

反対側では富樫も気になってたみたいで、身を乗り出して志麻の顔を見てる。

あたし達は仕事で顔は合わせても、プライベートな話をする機会は全くない。


「えーと…俺の話は別によくないですか?」

志麻、酔ってるな?

『俺』になってるよ。


「だって、婚約して二年以上経つよね?いい加減咲華さん呆れてるんじゃない?」

「……」

あれっ。

あたしの言葉に志麻が無言になったもんだから、富樫とこっそり顔を見合わせる。

「…あたし、今のヤバかったかな…」

「い…いえ…自分もそう思いますので…」

富樫とコソコソと話してると…

「…色々複雑なんです。」

志麻が低い声でそう言って、ウォッカをおかわりした。

「……」

富樫、あんた何か気の利いた事言いなさいよ。

えっ…自分無理です…

恋愛した事ないわけじゃないよね?

そ…それはそうですが…アドバイスになるほどの恋愛では…


富樫と視線でやり取りして。

…仕方ない。

ここはあたしが…って思ってると。

「…お嬢さんは、どうしてお別れになったんですか?」

若干目の座った志麻が、斜に構えてあたしに言った。

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