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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/27 14:26:02

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「俺達は夫婦なんだろ?正直に話せよ。」

「……」

少し涙目になった咲華は、しばらく悩んでいたようだったが。

「…どうでも…どうでもいい事なの。」

うつむいて言った。

「どうでもいい事なら、なおさら話してくれ。」

「……」

「さあ。」

すると咲華は、サイドボードに置いていたスマホに手を伸ばした。

「…三つ目の動画…」

咲華のスマホに入っている動画は…

俺と婚姻届を書いているものと。

教会で抱き上げているものと。

…やってる最中のもの。

「……三つ目って…あれか?」

「うん…」

「…何分あるんだ?全部見た方がいいのか?」

スマホを手にしてみると、三つ目の動画は六分。

これを見て酒を飲みたくなるような何かって…

『あっ…あん…』

その声にリズがキョトンとして。

俺は慌ててイヤホンを取り付けた。

実際動画とは言っても、暗闇で何も映ってはいない。

たぶん、置いていたスマホに何らかの形で触ってしまって…撮影がスタートしてしまったのだろう。

『あ…あっ…いい…』

しかし…

こんな声をイヤホンで聞くなんて。

嫌でも悶々としてくる。

昨夜抱いた身体がすぐ隣にあって…

耳元で聞いた声が、サラウンドで耳に入るとなるとなおさら…

『…紅美…』

二分を過ぎた頃、俺の声が…紅美の名前を呼んだ。

咲華の顔を見ると、咲華はうつむいてリズと額を合わせている。

『あたし…紅美じゃない…』

『紅美…』

『…紅美って誰…紅美ちゃん…?』

『紅美…許してくれ…』

『誰…誰に言って…あっ…何…何悪い事…したの…』

『俺達の子供…死なせてしまって…ごめん…』

『あ…あ…もう…ダメ…』

『紅美…』

『だから…違う…』

『紅美…もう離さない…』

俺の声は…ずっと紅美の名前を呼び続けていて。

俺がイヤホンを外すと。

「…紅美って…あたしのイトコの紅美ちゃん?」

咲華が俺を見ないままつぶやいた。

「……」

少し悩んだが、咲華の手を握って。

「…ああ。」

小さく答えた。

「…紅美ちゃんと…付き合ってたんだ…」

「……」

「俺達の子供…って?死なせてしまった…って…」

「…流産したんだ。」

「……」

「咲華、これから色んな事を話して行こう。俺達、それぞれ色々あったはずだろ?」

こんな形で知られたのがまずかったと思いつつ、そう言うしかなかった。

咲華は相変わらずうつむいたまま。

「…リズちゃんとあたしは…亡くなった赤ちゃんと、紅美ちゃんの代わり…?」

とても小さな声で…そう言った。

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