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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/26 12:05:34

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『今から帰ります。何か必要な物はありますか?』

海さんからメールが来たのは、午後7時前だった。

意外と早く帰れるんだ…って少し驚いたけど、帰る時間なんて仕事内容で変わるよね。


『お仕事お疲れ様でした。いいえ、特にありません。気を付けてお帰り下さい。』

…何だか…敬語のやりとりって…おかしな気もするけど。

海さんが敬語で話してる以上、あたしが崩すわけにはいかない気がする。


あたしより…4つ年上の32歳。

華音が帰国した時、アメリカでの色々をかいつまんで話してくれた。

海さんと…沙都ちゃんと曽根君とでシェアハウスしてた事。

あの時、華音は…『海』って連呼してて。

聖に『ノン君、呼び捨てるほど仲良くなったんだ?』って突っ込まれてた。

『仲良くなれるタイプじゃない二人に思えたけどなあ』とも。


華月と聖は…海さんの妹の泉ちゃんと仲が良かったから、自然と二階堂本家の人達とも…繋がりがあった。

…特に聖は、泉ちゃんと付き合ってた…事もあったし。


「……」

どうして別れたのか…なんて。

きっと愚問なんだよね。

恋人同士のそれには、色々理由があるんだ。

周りに分かる理由もあれば、本人同士にしか分からない理由も。

泉ちゃんと聖は…違い過ぎる世界に引き離されたんだと思う。

おじいちゃまの跡を継いで社長になった聖と…

二階堂で働く泉ちゃん。

あたしだって…しーくんとは世界が違ってたけど…

それでも。って…歩み寄れたはずだったのに…

…二年以上、その先には進めなかった。


「泉ちゃんと聖が別れたのに…あたしは海さんと酔っ払って結婚なんて…」

つい額に手を当ててつぶやくと。

「うーあー。」

椅子に座ってるリズちゃんが、テーブルを叩いた。

「あ、お腹すいたよね。パパより先に食べちゃおうか。」

「あうっ。」

レシピを見て作った離乳食。

リズちゃんは毎回食べ足りなくて、ミルクもたくさん飲む。

…本当に大食いの共通点が…


「はい、あーんして。」

右手にスプーンを持って、楽しそうなリズちゃん。

まだ一緒にいるのは二日目だけど…今の所は本当に天使。

子育てって、きっと色々苦労も苦悩もあるよね…

今から、その波が押し寄せるんだろうか…

…って。

あたし…『今から』を期待してどうするの…


「ただいま。」

リズちゃんが離乳食を食べ終わった頃、海さんが帰って来た。

「あ、おかえりなさい。」

「もう食べましたか?」

「リズちゃんだけ。あ…でも今からミルクを…」

「ミルクは俺がしましょう。ちょっと着替えて来ます。」

「…お願いします。」

海さん、優しいな。

仕事で疲れてるだろうに…


二階に上がるのかと思いきや、海さんは納戸に入ったかと思うと…ラフな格好で戻って来た。

「え?納戸に服を置いてるんですか?」

「あー…面倒臭がりで。いちいち上で着替えるより早いし。」

「なるほど…」

面倒臭がりな面もある…と。

「色々不都合に思う事があれば、咲華さんも衣類は下に移してください。クローゼットもチェストも空いてますから。」

そう言われて…不意に今朝の状況を思い出した。

海さんはスーツだったのに、あたしは慌てて降りて来たからスウェット姿のまま。

シャワーの時も…いちいち上から持って降りなくて済む…

なるほど。

面倒臭がりじゃなくて、名案!!

「じゃあ…お言葉に甘えて、そうします。」

後で納戸をチェックしに行こう。


海さんがリズちゃんにミルクをあげ始めて、あたしはキッチンで料理を温め直す。

夏だけど…胃腸には温かい物の方がいいしね。

お皿をテーブルに並べてると、海さんとリズちゃん…何だか顔を見合わせて笑ってる。

…ふふっ。

可愛い。

年上の人にそう思うのは申し訳ない気がしちゃうけど…

海さんがこんな顔を持ち合わせてる人だなんて思わなかった。

二階堂の上に立つ人で。

何もかも完璧な、何なら…少し冷酷非道な人…ぐらいに思ってたかも。

それが、華月や聖と温泉に行ったり、華音とシェアハウスしてたり…で、少しイメージは変わってたけど。


「おいおい。笑うか飲むか、どっちかにしろ?危ないだろ?」

ミルクを飲みながら笑ってるリズちゃんに、凄んでるつもりなのか…全然迫力のない海さん。

…ほんと…

か…


可愛いよー!!

リズちゃんも、海さんも…!!

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