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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/25 18:10:32

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「こ…この子はいったい…」

バスケットの中で火がついたように泣きじゃくる赤ん坊。

俺達があれだけ大騒ぎ(目覚めてからの騒動)してたのに…

「今まで、ずっとここで寝てたのか…?」

俺が眉間にしわを寄せてつぶやくと。

「ああ…どうしたのー?」

狼狽える俺とは反対に、桐生院咲華は。

「お腹すいたのかな?それともオムツかな?」

抱き上げた赤ん坊の顔を見ながら言った。

「…君が連れて?」

「まさか。でも…もう何があっても不思議じゃない感じだから…」

…確かに。

「…誘拐してない事を祈りたい。」

俺はそう言うと、スマホを手にして赤ん坊の捜索願が出ていないか調べた。

…とりあえず、誘拐はしていないようだ。

「トートバッグにミルクが入ってる…あと…離乳食のレシピ…」

どうやらバスケットのそばにあるトートバッグに、ミルクや紙オムツが入っているようだ。

「…えーと…何か食べさせて…オムツ交換もした形跡が…」

「え?」

「…あたしは記憶がありませんが…」

「…俺にもないです。」

「……」

「……」

…全く…

本当に、全く記憶がない。

俺は、こんなに記憶を失くすほど、酔った事はない。

…誰か夢だと言ってくれ。


とは言っても、赤ん坊に罪はない。

桐生院咲華に抱かれて少しは泣き止みはしたものの、まだ少し愚図っている赤ん坊。

「待ってね…すぐ作るからね…」

桐生院咲華は赤ん坊にそう言うと。

「少しお願いしていいですか?」

赤ん坊を俺に手渡そうとした。

「えっ。」

「とりあえず、ミルクを作ります。」

「…分かりました。」

小さな頃は、空や泉の面倒を見た。

姪っ子の夕夏の子守も、した事は…ある。

大丈夫だ。

自分に言い聞かせながら、桐生院咲華の手から赤ん坊を引き取る。

「……」

小さくて柔らかい。

その存在を手にして…俺は少し苦しくなった。

…俺は…紅美との子供を死なせてしまった。

紅美と別れた時、決めた。

一生結婚も…子供を持つ事もない、と。


………酔っ払って結婚したなんて、どうすればいいんだ。


幸い少し落ち着いた赤ん坊をソファーに寝かせ、写真を撮る。

そして、それをデータファイルに照合させた。

「……」

リストが出て来た。

赤ん坊の名前は『リズ』…生後六ヶ月。

そして…

俺の…



養女!?

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