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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/24 19:36:27

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俺の歌にさくらが絡んで。

この歌は…二人で歌って完成する歌だったんだな…と。

今更ながら思った。

マノンに言われた通り、サビを三回繰り返した。

その間に…さくらの頭を抱き寄せた。

髪の毛にキスした。

客席から上がる冷やかしの声に、幸せを感じた。

そこに大事な顔ばかり見えたのが…さらに俺を幸せにしてくれた。

振り返っても、大事な仲間がいて…俺は幸せ者以外の何ものでもないんだと気付いた。

ただ、振り返ればいいだけの事だったのに…

俺はいつでも前だけを向いて、後ろの事に気付かなかった。

…気付こうとしなかった。

そこにはいつも…俺を大事にしてくれる誰かがいたのに。

前を向くしか…自分を立たせている手段は無いと思っていたなんて。

…なんて鈍感で、愚かな男だったんだろう。


歌い終わって、さくらと指を絡ませた。

まだどこか夢を見ているような気分の俺は、何度もさくらの頭を抱き寄せてしまう。

すると…

「…夢みたい。覚めないでほしい…」

さくらも…俺の胸で小さくつぶやいた。


『おいおい…なんや幸せたっぷりやなあ』

幸せたっぷりな俺達に、嫌味たっぷりな声のマノンが。

『これでイベント終わりや思うなよ!!』

「えっ?」

「え?」

みんなでマノンを見ると…

『今日出たアーティスト、皆上がれ!!アレ演るで!!アレ!!』

マノンがそう叫ぶと…

「マジかよ!!」

ナオトが笑った。

俺も…さくらと抱き合って…笑った。

「夢みたいなセッション!!」

ステージに上がって来たみんなが、そう口にした。

「…ばーちゃんの事…」

隣に来た華音は、鼻をグズグズいわせている。

「…任せろ…て言うか、俺が守られるらしい。」

肩を抱き寄せて言うと、華音はやっと…優しく笑った。

『準備ええか~!?』

急遽どの楽器も増やされて。

「こんなアホなセット、有り得へんわ!!」

ハリーが笑顔でボヤきながらPAの卓につく。

その隣では、里中も頷きながら笑っている。

「…最後に観たのは、ファイナルコンサートだったかな。」

さくらがつぶやいた。

俺はそれに笑顔で応えてマイクを手にする。

『深紅は深紫を超えたって勝手に思ってるぜ!!』

俺がそう言うと、客席もステージ上も拳を振り上げた。

『今夜はもう皆で燃え尽きよう!!』

それから…

俺達の原点の曲、Deep Purpleの『Burn』は…

色んな奴のギターソロで長引いて。

ナオトとまこの鍵盤ソロ対決も入って。

本来はないドラムソロも入って。

そうなるとベースソロも入って。

ハリーと里中をてんてこまいさせた。

俺はと言うと…

今まで何度も歌ったはずのこの曲が、まるで初めてカバーするかのように新鮮で。

もしかしたら…生まれ変わったのかもしれない…などと都合良く思った。

千里と歌い、瞳と歌い、知花と歌い、さくらと歌い…

詩生と紅美はコーラスに徹したが、それでも上等な歌に仕上げてくれた。

ゲスト枠の若者達も、踊って場を盛り上げてくれて。

長い長いBurnは、気付いたら16分も続いていて。

『もういい加減終わらせろ!!跳ぶぜ!!』

俺の言葉と共に、全員が跳んで……終わった。


曲が終わって、ステージ上はハイタッチの嵐。

それでも俺は…しっかりとさくらの手を握ったまま。


…離さない。

もう。

何があっても。

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コメント5

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  1. ヒロさん(45歳)ID:6605059・09/24

    うぇ〜〜ん。゚(゚´Д`゚)゚。良かったよ〜〜良かったよ〜バージョンアップしてるよね☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆最高です

  2. レイカさん(40歳)ID:6604896・09/24

    号泣。・°°・(>_<)・°°・。

  3. カオリさん(47歳)ID:6604889・09/24

    号泣…

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