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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/24 18:18:47

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『41年前の12月8日。あたしは…あるミッションを遂行しようとしてました』

突然、さくらがマイクの前に立って話し始めた。

…ミッションって…

まさか…

思い出したのか…!?

あの事件の事を…!!


俺がステージに駆け寄ろうとすると。

『なっちゃん』

さくらが…俺に向かって言った。

「…え…っ?」

『あたし、あの日…なっちゃんに渡すはずだった物を受け取りに…あそこへ行ったの』

「……」

あそこ…とは…

事件のあったジュエリーショップ…か?

…俺に渡す物…

『その41年前より、もう少し遡った昔…あたしはなっちゃんとリトルベニスで結婚式を挙げる予定でした』

さくらがそう言うと、会場中から驚きの声と悲鳴が上がった。

『なのに…幸せ慣れしてないあたしは…それが怖くなって…』

「……」

『…逃げ出した。本当…最低…』

幸せ慣れしてないから怖くなったなんて…

下手な嘘だ。

俺が瞳の存在を話さなかったばかりに…さくらの中で脅威になっていた周子の存在。

…俺が、さくらから手を離させたんだ。

『…でも、ある人達のおかげで…あたし達は再会できた』

会場中、耳が痛いほどの静寂に包まれている。

『丹野廉君と…浅井晋ちゃん……もう…なっちゃんに会う資格なんてないって言ってたあたしの背中、少しずつ気長に押し続けてくれてた。あの二人のおかげで…あたしは…またなっちゃんと恋が出来た』

え?丹野廉と浅井晋が?なんて声があちこちから上がって。

この人…何者?って…

…そうなるよな。

『そして…Deep Redが…活動休止して…なっちゃんはビートランドを設立した…』

ステージ袖でマノンとナオトが腕組みをして…優しい顔をしているのが見えた。

『…12月8日。あたしは…久しぶりに会うなっちゃんに、これを渡して言うはずだったの』

ふいにさくらが後ろから何かを持って…

『なっちゃん。あたしと結婚して。って』

割れんばかりの拍手と悲鳴と…冷やかしの声と…

「ナッキー!!行けよ!!早く!!」

ゼブラとミツグが泣きながら俺の背中を押した。

「やだもう!!腰が抜けてるんじゃないの!?」

相変わらずの憎まれ口な麗は…涙で美人が台無しだ。

ステージ上のさくらの手には…指輪のケース。

「……」

それを…取りにジュエリーショップに行って…事件に巻き込まれたのか…?

バカだな…おまえ。

指輪なんて…

俺が買ってやったのに…

「おっちゃん!!何してんだよ!!早く行けって!!」

聖が俺の腕を掴んでステージに歩き始めた。

「…聖…」

「今度こそ…くっついてくれよ…」

泣き笑いの聖はステージの端にある階段で俺の腕を離して。

「…聴かせてくれよ。母さんと…二人の歌。」

「……」

「…父さん。」

何も…失くしてなんかない。

俺には…失くしたものはなかった。

むしろ増え続けていたんだな…。

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コメント3

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  1. ジョアンナさん(22歳)ID:6604911・09/24

    なっちゃんって、記憶消されてないっけ、、。
    さくらに思い出させないことだけ記憶けされてんだっけ、、。
    なんにせよ、涙無くして読めない_(:3」z)_

  2. ココロさん(77歳)ID:6604852・09/24

    本当に泣けますね…(>_<)

  3. リリーさん(40歳)ID:6604836・09/24

    泣けるー(இ﹏இ`。)ウゥゥ…

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