ブログランキング9

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2963
  • 読者 712
  • 昨日のアクセス数 22996

テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/24 15:37:48

  • 111
  • 0

「……」

SHE'S-HE'Sがステージ前で深くお辞儀をした。

俺は涙を流しながら…心からの拍手を送った。

最高だった…。

瞳とさくらのバックボーカル。

知花のバラードも…申し分なかった。

もう…本当に…これで…


溜息をついて、椅子に深く沈み込む。

モニターのスイッチを切って、天井を見上げて…ヘッドフォンを外そうとすると…

プツッ…

「…ん…?」

なぜか、またモニターがついた。

接触が悪いのか…?

もう一度スイッチを切ったが…

なぜかモニターはまたすぐについてしまう。

……まあ、いい…と諦めた所で…

『…こんな特別なイベントのトリであるSHE'S-HE'Sのステージに立たせてもらっただけでも贅沢なのに、さらに特別枠として…時間をもらいました』

さくらの声が…聞こえた。

…特別枠?

ヘッドフォンを外すのをやめて、モニターを見つめた。

そこでは…さくらが一人。

ステージに残ってマイクを持っている。

『あたし、桐生院知花の母です』

両手でマイクを持って、ペコペコと色んな方向に頭を下げるさくら。

『ここからのステージは、思い切り私用です』

さくらがそう言うと、客席から笑いが起きた。

私用…?

どういう事だ…?

俺は再び前のめりになってモニターを見入るる

『みんな…恋してる?』

『してるー!!』

『募集中!!』

『あはは。そうなんだ。あたしにも…大恋愛の経験があってね…』

…さくら…?

千里がアコースティックギターを持って来た。

…おい…

まさか…

『すごく…大切な人で…』

さくらが言葉に詰まると、どこからか『頑張れ』と、瞳や知花…聖子の声が聞こえた。

『…その大切な人が、あたしの誕生日にプレゼントしてくれた歌です』

「さくら…」

なんて事だ…

俺は…

もう終わろうとしてるのに…

どうしてこんな事を…

『彼が…あたしのために歌ってくれたバージョンのままで歌います。聴いて下さい。If it's love』

つい…立ち上がってしまった。

いつか…

いつか一緒にと思っていた歌を…

さくらがステージで歌っている。

…忘れてなかったのか…?


朝起きたらさ、おまえが隣に居る

おかしいな…これはリアルなのか?って

毎朝そんな気持ちになるなんて…夢みたいな幸せって事だよな

「…っ…」

さくらが…

さくらが、ギターを弾きながら歌っている…

その姿は、あのカプリを…プレシズを…

そして…ケリーズの前でのさくらを思い出させた。


もしおまえに悲しみが訪れたら、俺がおまえを殺してやる

おまえを悲しませない

俺が苦しむとしても


俺は…さくらを苦しめてばかりだった。

悲しませてばかりだった。

なのに…殺す事も出来なかった。

この歌は…ただの綺麗ごとだ。

俺は、とんだ嘘つきだ…。


それは愛なのか?って、誰もが言うんだ

俺は笑顔で、全力で言うさ

愛だ

いや

愛以上だ

愛以上なんだ


「……」

さくらの歌は…あの頃と何も変わっていなかった。

あの頃と…何も変わっちゃいない…

当然風貌は変わってしまっても…

気持ちは…何も変わらないんだ…

「さくら…」

さくらの歌に涙した。

歌い終わったさくらは笑顔で…客席は大歓声に包まれた。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

関連するブログ記事

  1. 43rd 55

    09/24

    照明が落ちるはずが、ずっと明るいまま。SHE'S-HE'...

  2. 27th 63

    06/27

    時々MCを混ぜながら、さくらのステージは続いた。客層を見...

  1. 35th 47

    07/27

    『もう、何十年も前になるけど、ここで歌ってた…シェリーです。...

  2. 29th 30

    06/30

    『ランチステージで歌っている、我がカプリのシンガー、シェリー...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

10/21 編集部Pick up!!

  1. 誤爆LINEした彼を信用できない
  2. 作ったご飯を毎日こっそり戻す夫
  3. 共稼ぎなのに夫が家事をしない

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3