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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/24 12:00:36

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「……」

…命を終える前に、こんな気持ちになるとは思わなかった。

SHE'S-HE'Sが…俺の知らないバンドのようになっていて、それは…

…それは、もう…俺には何もしてやる事はないという安心感も…くれた。


「…いい歌だ…」

知花のバラードに…涙が出た。

過去何度聴いても…知花のバラードに泣かされる事はなかったが…

ここに来て初めて、成長した知花の…心からの…魂の歌を聴けた気がする。


あと三曲…

ちょうどいいぐらいかもしれない。


俺は瓶を開けると、中から錠剤を取り出して手の平に乗せて。

それを一気に口の中に入れて…水で流し込んだ。

今日のイベント、閉幕の挨拶はマノンだ。

俺がそこにいなくても…誰も気にはしない。


椅子にもたれかかって…そのまま目を閉じて…耳で知花の声を、瞳の声を…さくらの声を拾った。


今日は…本当に満足な一日だった…

DANGERにDEEBEE…

若いバンドがこれからのビートランドを盛り上げてくれるはず。

そして、F's…

千里…最高のステージだった。

あいつもまだまだ…伸びしろがあるようだ。

Deep Red…俺のバンド…

音楽屋でナオトのピアノを聴いた事から始まった…俺達。

あの倉庫での練習。

今思えば下手くそだったはずなのに。

俺には雷に打たれたほどの衝撃だった。

ナオトとゼブラとミツグ。

俺に仲間が出来た。

それから…マノン。

一目見た時から、マノンのギターで歌いたくて仕方がなかった。

おまえのギターで歌いたい。なんて…

そんな我儘で、ここまで付き合わせた。

…最高の仲間だ。


SHE'S-HE'Sのステージを聴きながら…逝けるなんて。

贅沢だ。


喉の異常に気付いたのは…いつだっただろう。

勝手に加齢による物だと思っていた。

実際体力も食欲も昔と同じわけにはいかない。

どんなに鍛えても、だ。


貴司の入院中、ついでだと思って病院で喉のケアをしてもらった。

少し風邪気味だから…と、風邪薬を処方してもらった。

その時は、まさか…自分がガンに冒されるとは思っていなかった。

医者が検査を進めてくれた時に…しておけば良かった。

と、普通なら思うのかもしれない。

だが不思議と俺は…それを思わなかった。

むしろ、来る時が来た。と…。

もう…いいだろう…と。

貴司と母親の気持ちが、痛いほど分かった。


もしかすると、俺は…

誰かの秘密や罪を抱えて生きる事から、逃れたいと思い続けていたのかもしれない…。

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コメント1

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  1. マコトさん(99歳)ID:6604759・2017/09/24

    なっちゃーん!

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