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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/24 10:38:45

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まさか…

まさか、SHE'S-HE'Sのステージに…

瞳とさくらが…

「……」

俺は大きく目を見開いて、口を開けたままモニターを見入った。

さくら…

歌うのか?

どこから入るんだ?


ドキドキして…唇が渇いた。

いつぶりだろうか…こんなに胸が逸るのは。


ギターソロの後、知花が黒いドレスを脱ぎ捨てて白い衣装に変わり、Bメロを歌って…サビ…

「…っ…」

三人の声が絡まった。

瞳は知花の上を歌い、さくらは知花の下を歌った。

一寸の狂いもないその三人の歌声に…俺は鳥肌を立てた。


瞳は周子のトリビュートアルバムで歌いきって。

まだ瞳が歌える喜びに感激した。

だが…知花の上を…?

確かに瞳は少し低音が弱い。

しかし、知花の上をいけると…誰が気付いたんだろう。

そして…

さくら。

…歌えるようになったのか…

最後にさくらの歌声を聴いたのは…

部屋で弾き語ってた、俺の残したピーマンも…っていう、可愛い歌だったな…


前のめりになってモニターを見つめた。

二曲目は少し明るいナンバーで、客席が跳び始めた。

ステージの上、SHE'S-HE'Sも跳ねている。

…おいおい、まだ二曲目だぞ?


ずっとドキドキしたまま…さくらの姿を目で追った。

そして、出来れば…貴司にも見せてやりたかった…と思った。

こんなにイキイキしたさくらを、貴司は知っていただろうか。


「……」

五曲目が終わった所で…俺は引き出しの鍵を開けて、茶色い瓶を取り出した。

さくらが歌っている姿を見ても。

瞳が圧巻のハイトーンを聴かせてくれても。

俺の決意は揺るがないようだ。

生きるために必要な何が足りないのかと聞かれると…何か分からない。

だが、逝くための気持ちは存分に満ちている。


『今まで…たくさんの人に愛をもらいました。きっとみんなも…与え、そして受け取ってるはずよね?』

知花のMCなんて…珍しいな。

『あたしは…ずっと鎧を身に着けてて、与えられてるものに気付けない時期があった』

そう言って、知花は…黒髪のウィッグを外した。

『自分に正直になると、欲しいものって自然と生まれると思う。でもそれは欲張りじゃなくて…必要なものだからこその気持ちだと思う…』

『どうか皆さん、自分の気持ちには正直に…そしてそこにある大切なものに気付いて』

『聴いて下さい。My Kind Of Love』

…聞覚えのないタイトル。

新曲か…?

知花はバラードが苦手だった。

それを…どう克服しただろう。



愛を見ないフリをして

もう何年経っただろう

顔を上げるだけで

そこに掴める温もりがあるのに


何も身にまとわない

あなたが欲しい物は何?

もう十分なんて言わないで

もっと欲しがっていいの 夢も希望も愛も


あなたがくれた溢れんばかりの愛を

今度はあたしが返したい

ここに来て 顔を上げて

あたしを見て 手を差し伸べて


目を細めないで

失くしたものは探さなくていい

だってあなたは最初から

何も失くしてなんかないから


あなたがくれた溢れんばかりの愛に

包まれる幸せを あたしは知ってる

ここに来て 抱きしめて

くちづけて 離さないでいて


あなたがくれた溢れんばかりの愛が

あたしをずっと守ってくれた

そばにいる 嵐が来ても

離れない 何があっても


今度はあたしが あなたを守るから

この溢れんばかりの愛で

あたしなりの愛し方で

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コメント1

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  1. カオリさん(47歳)ID:6604707・09/24

    お願い…なっちゃんに響いて

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