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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/23 16:45:11

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『BEAT-LAND Live alive』

高原夏希


『Are You Ready!!』

俺がそう叫ぶと、会場中から歓声が上がった。

…こんな腹に響くような歓声は…いつぶりだろう。

近年の周年パーティーでも俺は歌わなかったから…

本当に久しく体感していない。


今日は俺の大事な仲間、ナオト、マノン、ゼブラ、ミツグに加えて…

光史と京介、華音と映もステージに上がっている。

光史と京介はただ単にミツグの体力を心配しての事だが…

華音と映は、思い切り個人的な感情で選んだ。

…俺の孫だ。


客席を見渡すと…愛しい顔が多く見えた。

俺の大事な社員たちはもちろん…

Deep Redメンバーの家族や…育てて来たミュージシャン達。

…瞳に…知花。

俺の娘達。

そして…

さくら。

知花はSHE'S-HE'Sのテーブルにいるが、さくらは瞳の隣にいた。

…さっきはどうしても廉のPVを見せたくなくて…警備員に無理を言って会場を出させてしまったが…

どこかで観ただろうか。


マノンと華音のギターソロが白熱し、客席も盛り上がる。

まったく…こいつら。

タイムテーブル通りに終わらないぞ?

ふとステージ前に目を向けると、聖がいた。

…俺の血を分けた…息子。

紅美と沙都に挟まれて、跳んでいる。

意外な気がしたが、それはすぐに嬉しさに変わった。

なぜか聖は目に溢れんばかりの涙を溜めていて。

それが…俺を癒してくれた。

俺にとって、これが最後のステージだ。

寂しくもあり…残念でもあり…

…悲しい思いも、ある。

だが…聖の顔を見て…全てが終わる事に対して…諦めにも似た決心がついた。

俺には大事な物があり過ぎて…もう抱えられない。


セットリストも後半になった頃。

突然、会場中が俺の誕生日を祝い歌ってくれた。

振り返るとナオトが笑顔でピアノを弾いている。

…最高の誕生日だな…


千里と圭司が、どでかいケーキを運んで来て。

「さ、何か願い事を。」

「これだけ大きいなら、三つ四つ願ってもいいかもー?」

二人に小声でそう言われて…

俺は75本ものロウソクを吹き消した。


…ビートランドが…これからも多くのアーティストを輩出するよう。

俺の大事な人達が幸せであり続けるよう。

…さくらが…

さくらが、ずっと笑顔で過ごせていけるよう。


ゆっくりと全部を吹き消すと、会場から大きな拍手が沸いた。

俺は圭司とハグをして…

その腕に想いを込めた。


「圭司…」

「はい。」

「…瞳を頼むぞ。」

「えー?今よりもっとですか?」

「ふっ…まったくおまえは…」

続いて…千里とも。

「もう少し知花を思いやってやれよ?」

「ほんとっすね…里中の件で凝りました。頑張ります。」

「…ここも、頼む。」

「…それは、これが終わったら話し合いましょう。」

「焦らすなよ。俺は今いい返事が聞きたい。」

「……」

千里を抱きしめたまま、耳元でそう言ってると。

『いつまで抱き合うてんねん。』

マノンがマイクに向かって言った。

「…分かりました。」

「…ありがとう。頼むぞ。」

「……」

千里の背中をポンポンと叩いて、離れる。


…これで…心残りは、もうない。


『最後まで付き合えよ!!』

マイクを持って叫ぶと。

会場は大きく波打ったような歓声に溢れて。

俺は…それを忘れないよう…目を閉じた。

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