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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/23 06:54:17

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なっちゃんが…歌っていられる!!

嬉しくて嬉しくて…すぐになっちゃんに伝えたくなった。

…だけど。

突然現実に戻った。

「…あたしが知ってちゃおかしいよね…」

どうしよう。

最上階に行って…バッタリ会ったら。

つい、勢いで来てしまったけど…

ピン。と綺麗な音がして、エレベーターが最上階に到着した。

会場になっちゃんがいないのは…分かってた。

途中でモニタールームで観てる姿は確認できたけど…その後は会場じゃない場所にいたに違いない。

夕べ忍び込んだ時に、会長室にもモニターが設置されてるのを見たから…ここだと思ったんだけど。

えーい!!もうなるようになれー!!

って、開いたドアから降りて、会長室のドアを開けようとすると…

「…いない。」

鍵がかかってる。

振り返ると、まさに…すれ違うようにエレベーターが降りてる。

ホッとしたような…残念なような…

もしかして、もう控室に行くのかな。

PVの後は、ビートランドの歴史みたいな映像が流れるみたいで。

解散してしまったバンドやアメリカ事務所のバンドの紹介もあるから、ちょっと長いみたい。

その後が…Deep Redなんだよ…

色んな想いが混ざって…何だかドキドキして来た。

とりあえず…下に降りよう…

会場の階に降りると、さっきの警備員さんがいて。

「あっ、桐生院様。たった今、会長がお探しでした。」

あたしを見て驚いたような顔で言った。

「え?」

「朝霧さんと会議室に行かれたようです。そちらの階段を上がって正面の部屋です。」

「ありがとうございます。」

なっちゃんが…あたしを探してた?

何だかドキドキしてしまって、あたしは教えてもらった階段を上がった。

そして、言われた通り…正面の部屋からは話し声が聞こえた。


「…んやな。」

「ああ。」

あたしはなぜか…会議室に入る事なく、立ち止まって二人の声を拾った。

「さくらちゃんに、廉のPV見せたなかったんやろ。」

「……」

マノンさんの言葉に…なっちゃんが黙った。

…え?

「けど、さくらちゃん…記憶少しずつ戻ってるで?」

「…何?」

「ええやん。思い出したさくらちゃんと、また始めれば。」

自分の心臓が…うるさい。

少しの沈黙の後。

「…思い出させたくない事があるんだ。」

なっちゃんが静かに言った。

…え?

思い出させたくない事…?

「なんやそれ。」


…えーと…

なっちゃんがあたしを探してたのは…

あたしに、廉君のPVを見せたくないって理由で。

さらには…

思い出させたくない事がある。

「…とにかく、そういう訳だ。気にするな。」

「気にするな言われても。」

……そんなの…

気になるに決まってるじゃない!!


あたしは階段を駆け下りて、会場に入ろうと入り口に向かったけど。

「あっ、桐生院様!!」

「何ですか?」

「しばらくお待ち下さい。」

なぜかあたしの入場を妨げようとする警備員さん。

…ここまでして、あたしに見せたくないって事⁉︎

「会長から許可はもらいましたよ?」

そう言ってみるも…

「では、会長に確認を…」

警備員さんはあたしを信じない。

うーん…!!

「ははっ…じゃあ…いいです…」

あたしはガッカリした顔でその場を離れて…


階段で、最上階に向かった。

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