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【オオカミ君の甘い罠】*9*

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テーマ:小説 > 妄想

2017/09/22 17:52:30

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「…朱莉さん…あのっ…私…」


「七海!行くぞっ!」



何か言いかけた七海ちゃんの手を
翔太が強引に引っ張る。



「で、でも…」


「いいからっ!」



七海ちゃんは気まずそうな顔をしたまま
翔太に引きずられる様にして
いなくなってしまった…

七海ちゃんは
翔太の所属するサークルの後輩で
朱莉も七海ちゃんとは顔見知りだった。



「やっぱり。…私、翔太に二股掛けられてたんだ。…本当、バカみたい…あなたの言う通り、私って男の見る目…ないみたい。」




本当は随分前から怪しいと思ってた。

急にスマホにロック掛けたり
トイレに行く時もお風呂の時も
スマホを持ち歩くし、
デートはドタキャンするし…

気づいてたくせに
気づかないふりをしていたんだ。



「…ネックレス、もう要らないから。捨てるなり誰かにあげるなり勝手にして。」




…そんな物、持ってたって惨めなだけだし。




「大切なもの、なんじゃなかった?」


「…大切なもの、だったのっ!たった今どうでも良いものに変わったから。」


「あー…やっぱり、あの元カレくんからのプレゼントだったわけね。」



桐生 圭介 はポケットから
ネックレスを取り出して
朱莉の目の前でブラブラと揺らして見せる。



「…っ!そうよ!悪い?こんなものっ…」



朱莉は 桐生 圭介 の手から
ネックレスを奪い取ると
廊下の窓を開けて外の草むらへと
ネックレスを放り投げた。



「あーぁ…捨てちゃった。物に罪はないのに。」


「物に罪はなくても持ってるだけで思い出しちゃうじゃんっ!あんな奴の事なんてもう思い出したくないのっ!」


「…あっそ。」



桐生 圭介 は
窓の外の草むらに目を向けながら
興味無さげに呟いた。



「…じゃあ、あなたともこれでサヨナラ。一昨日の夜の事は忘れて?」



朱莉は 桐生 圭介 に素っ気なくそう言うと
そのまま講義室に戻ろうとした。



「…っと、ちょい待ち。誰がサヨナラするって言った?一昨日の夜の事も俺、忘れねぇよ?」


「は?」



朱莉の腕をグッと掴み
ニヤリと笑う 桐生 圭介。



「…っ、何言ってん…」


「俺があんな奴、すぐに忘れさせてやるよ…」



手を振り解こうとした朱莉の耳元で
甘く囁く …



「っ!なっ…!?」


「…一昨日の夜、俺とした事…忘れたわけじゃないだろ?」




何…言ってるのこの人…




「…あなた何言ってるの?頭大丈夫?言っておくけど私はあなたの事なんてこれっぽっちも…」


「本当、ギャーギャーうるせぇ口だな。少し黙ってろよ。」



桐生 圭介 は朱莉の顎を
右手でクイっと上げると
そのままその唇にキスをした。

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